Episode.11 DESPAIR
奴のその手には弓型武器『ソニックアロー』が握られている。
ソニックアローはデュークを含む次世代型アーマードライダーの共通武装であり、矢を飛ばしての射撃だけでなく、洋弓のリムにあたる部位での接近戦もこなせる万能武器だ。
ノゾミを葬った自身のライダーであるヴァルツといい、デュークといい、この間変身した滅とかいうライダーといい、カリスといい……。
一部のライダーを除いてはジニアはどうやら携行武器として弓型武器を選ぶ傾向にあるようだ。
どうやら射撃と斬撃をシームレスに切り替えることができるという理由だろう。
「……さぁ」
「“絶望を受けとれ”ってか?」
「!?」
声が聞こえてきたと感じた刹那、目の前が真っ暗になり、顔面に激しい痛みが走る。
脳が揺れ、意識が一瞬途切れたように感じた。
──ダメだ、奴の動きを目で追えない。
何をされたのかさえ分からない。
「グッ……!」
ディスペアーサーベルを地面につきたて、体制を立て直す。
ジニアが変身したデュークはそれ以上追撃をすることはなく、構えもせずに私の動きを見ている。
前からずっと感じてはいたが、今回も奴からは少しの殺気すら感じられない。
特訓とはいうが、正直舐められたものである。
「……話にならねぇ。これじゃ特訓にすらなんねぇぞ?」
「黙れ……!」
《BEAN!》
私を侮ったことを後悔させてやる。
私は奴から渡されたガイアメモリを起動した。
起動したガイアメモリは『ビーン』。
枝豆や空豆。
様々な『豆』の記憶が内包されたガイアメモリだそうだ。
それにしても、食べ物の記憶が内包されたガイアメモリをどうやって戦闘に利用しろというのか。
だけど、このクソみたいなメモリで奴に勝たなければ意味がない。
私はビーンメモリをディスペアーサーベルに装填した。
《BEAN!MAXIMUM-DRIVE!》
マキシマムドライブが発動し、メモリに解放された“力”が増幅する。
ディスペアーサーベルを地面に突き付ける。
すると、私の背後から地響きが聞こえた。
「……っ!?
これなら行ける………!
行けっ!!」
背後から現れたのは巨大な枝豆の鞘。
これを砲台代わりにして攻撃すればいいのか。
私はディスペアーサーベルを引き抜き、ディスペアーサーベルの切っ先を標的に向けることで豆型の弾丸を発射した。
発射された豆型弾丸は枝豆の鞘の形状に合わせるように、放射線状に飛んでいく。
これだけ範囲の広い攻撃だ。
避けるのはそうそう容易くないはずだ。
「お前、何も分かってないな」
しかしデュークはその攻撃を前にして回避するどころか逆にこちらへ向かってきている。
そして飛んできた豆型弾丸を全て紙一重でかわしてしまった。
「ちっ………!」
何度もいうが、ここで勝たなければ意味がない。
私は未来予知を発動させた。
脳裏に映る奴の未来と奴の行動。
奴は高速で肉薄し、ソニックアローの刃で接近戦を仕掛けるつもりだ。
それならば奴の太刀筋を見極め、切り伏せるのみ。
「……見えた!」
私は、それらを瞬時に理解すると私はこちらにソニックアローの刃を振るっていたデュークにディスペアーサーベルを振るった。
しかし……
「なにっ!?……ぐっ!」
確かに私の太刀筋はデュークを捉えた。
しかし、ディスペアーサーベルはそのデュークの体をまるで空気でも切るかのようにすり抜けたのだ。
直後、私の背後に走る鋭い痛み。
どうやら私は奴に背中から切り裂かれたようだ。
「やる気ねぇのかよ……!」
「ぐわぁぁぁっ!!」
振り返り様に反撃しようと、ディスペアーサーベルを振るうも逆にディスペアーサーベルをはたき落とされてしまい、そのまま正拳突きを叩き込まれてしまう。
正拳突きの威力はすさまじく、私の体は何度もバウンドし、壁に叩きつけられる。
「り……立体映像……!?
私の見た未来は完璧だったはずだ……!」
「未来予知なんか使ってもな、オメーの見る未来も、オメーがどう対策してくるかもだいたい想像がつくわバカタレ……」
あり得ない。
私の未来予知の精度はノゾミと同程度とはいえ完璧であるはずだ。
それをジニアは『私の見た未来を予測する』『更に私の次の手を予測して私の手を封じる』『私の虚を突き攻撃する』という手順を僅か数秒でやってのけ私の未来予知を攻略したのだ。
「こんなことが……まさか……」
ウェズペリアには『アンサー・トーカー』なる能力を使う者がいる。
アンサー・トーカーとはどんな状況や疑問、謎でも、瞬時に「答え」を出せる能力。
たとえば戦闘中ならば『どのようにしたら相手に攻撃を当てられるか』、『どのようにしたら相手の攻撃をよけられるか』などの「答え」が出せる。
これで私の未来予知の結果を知ったとするなら合点がいく。
「……お前、アンサー・トーカーの能力者なのか………!」
「………ンな訳あるか。漫画の読みすぎだボケ」
《レモンエナジースカッシュ!》
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
奴の蹴りが私の顎に命中。
私の体は地下施設の天井に激突し、地面に叩きつけられた。
………理不尽すぎる。
ジニアはこれで何の能力も使っていなかったというのだから。
ソニックアローはデュークを含む次世代型アーマードライダーの共通武装であり、矢を飛ばしての射撃だけでなく、洋弓のリムにあたる部位での接近戦もこなせる万能武器だ。
ノゾミを葬った自身のライダーであるヴァルツといい、デュークといい、この間変身した滅とかいうライダーといい、カリスといい……。
一部のライダーを除いてはジニアはどうやら携行武器として弓型武器を選ぶ傾向にあるようだ。
どうやら射撃と斬撃をシームレスに切り替えることができるという理由だろう。
「……さぁ」
「“絶望を受けとれ”ってか?」
「!?」
声が聞こえてきたと感じた刹那、目の前が真っ暗になり、顔面に激しい痛みが走る。
脳が揺れ、意識が一瞬途切れたように感じた。
──ダメだ、奴の動きを目で追えない。
何をされたのかさえ分からない。
「グッ……!」
ディスペアーサーベルを地面につきたて、体制を立て直す。
ジニアが変身したデュークはそれ以上追撃をすることはなく、構えもせずに私の動きを見ている。
前からずっと感じてはいたが、今回も奴からは少しの殺気すら感じられない。
特訓とはいうが、正直舐められたものである。
「……話にならねぇ。これじゃ特訓にすらなんねぇぞ?」
「黙れ……!」
《BEAN!》
私を侮ったことを後悔させてやる。
私は奴から渡されたガイアメモリを起動した。
起動したガイアメモリは『ビーン』。
枝豆や空豆。
様々な『豆』の記憶が内包されたガイアメモリだそうだ。
それにしても、食べ物の記憶が内包されたガイアメモリをどうやって戦闘に利用しろというのか。
だけど、このクソみたいなメモリで奴に勝たなければ意味がない。
私はビーンメモリをディスペアーサーベルに装填した。
《BEAN!MAXIMUM-DRIVE!》
マキシマムドライブが発動し、メモリに解放された“力”が増幅する。
ディスペアーサーベルを地面に突き付ける。
すると、私の背後から地響きが聞こえた。
「……っ!?
これなら行ける………!
行けっ!!」
背後から現れたのは巨大な枝豆の鞘。
これを砲台代わりにして攻撃すればいいのか。
私はディスペアーサーベルを引き抜き、ディスペアーサーベルの切っ先を標的に向けることで豆型の弾丸を発射した。
発射された豆型弾丸は枝豆の鞘の形状に合わせるように、放射線状に飛んでいく。
これだけ範囲の広い攻撃だ。
避けるのはそうそう容易くないはずだ。
「お前、何も分かってないな」
しかしデュークはその攻撃を前にして回避するどころか逆にこちらへ向かってきている。
そして飛んできた豆型弾丸を全て紙一重でかわしてしまった。
「ちっ………!」
何度もいうが、ここで勝たなければ意味がない。
私は未来予知を発動させた。
脳裏に映る奴の未来と奴の行動。
奴は高速で肉薄し、ソニックアローの刃で接近戦を仕掛けるつもりだ。
それならば奴の太刀筋を見極め、切り伏せるのみ。
「……見えた!」
私は、それらを瞬時に理解すると私はこちらにソニックアローの刃を振るっていたデュークにディスペアーサーベルを振るった。
しかし……
「なにっ!?……ぐっ!」
確かに私の太刀筋はデュークを捉えた。
しかし、ディスペアーサーベルはそのデュークの体をまるで空気でも切るかのようにすり抜けたのだ。
直後、私の背後に走る鋭い痛み。
どうやら私は奴に背中から切り裂かれたようだ。
「やる気ねぇのかよ……!」
「ぐわぁぁぁっ!!」
振り返り様に反撃しようと、ディスペアーサーベルを振るうも逆にディスペアーサーベルをはたき落とされてしまい、そのまま正拳突きを叩き込まれてしまう。
正拳突きの威力はすさまじく、私の体は何度もバウンドし、壁に叩きつけられる。
「り……立体映像……!?
私の見た未来は完璧だったはずだ……!」
「未来予知なんか使ってもな、オメーの見る未来も、オメーがどう対策してくるかもだいたい想像がつくわバカタレ……」
あり得ない。
私の未来予知の精度はノゾミと同程度とはいえ完璧であるはずだ。
それをジニアは『私の見た未来を予測する』『更に私の次の手を予測して私の手を封じる』『私の虚を突き攻撃する』という手順を僅か数秒でやってのけ私の未来予知を攻略したのだ。
「こんなことが……まさか……」
ウェズペリアには『アンサー・トーカー』なる能力を使う者がいる。
アンサー・トーカーとはどんな状況や疑問、謎でも、瞬時に「答え」を出せる能力。
たとえば戦闘中ならば『どのようにしたら相手に攻撃を当てられるか』、『どのようにしたら相手の攻撃をよけられるか』などの「答え」が出せる。
これで私の未来予知の結果を知ったとするなら合点がいく。
「……お前、アンサー・トーカーの能力者なのか………!」
「………ンな訳あるか。漫画の読みすぎだボケ」
《レモンエナジースカッシュ!》
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
奴の蹴りが私の顎に命中。
私の体は地下施設の天井に激突し、地面に叩きつけられた。
………理不尽すぎる。
ジニアはこれで何の能力も使っていなかったというのだから。