Episode.1 VALZ

「…………ぐっ……油断した……だがこの程度………!」


立ち上がるキャンサーバット。

その頑丈な甲羅のおかげで大したダメージにはなっていないらしい。




だが…………。





ピキッ………




「なっ………!?」





ピキピキピキ………


自慢の甲羅にヒビが入る。

ヒビは瞬く間に広がっていき………





パァン!!




「馬鹿なぁぁぁぁぁぁ!」





大気を揺らすほどの爆発音と共に甲羅は粉々に粉砕されてしまった。





「アンタ、覚悟決めてきた人だよな?

撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけ…らしいぜ?」


「しゃらくさいわぁぁぁぁぁ!!」



キャンサーバットは残った自慢の鋏で斬りかかる。

完全に頭に血が昇っているようだ。

俺は鋏をたやすく受け止めると手刀で鋏をへし折る。

そしてソバットをかましてキャンサーバットを吹き飛ばした。
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