Episode.10 LUCY
「おっと………!」
フォトンダッシュによる高速移動下での攻撃を受け止めるキングデストロイヤー。
『王を打ち倒す者』の名に恥じない反応速度だ。
ベースとなったカプセルに宿った怪人がどんな能力を持っているかは分からない上に実際に奴と戦ったのはそこで倒れてる3人だけなので目の前のエクスキメラがどんな能力を持っているかは分からないが、こちらの高速移動に追随出来たんだ。
恐らくは索敵能力……いや、未来予知や未来予測に近い能力を使えると見ていいだろう。
明らかに他のライダーたちよりスペックの高いヴァルツの高速移動に対応するのなら、未来予知や未来予測の類の能力を使わなければ無理だからな。
「君たちのリーダーのフルチン父さんが何も出来ずにやられたんだ。
ド素人の君がァ………僕に敵うわけないだろっ!」
《アナザーディケイド!バースト!》
「そらっ!!」
奴と切り結ぶ中、漆黒のエネルギーが奴の右足に収束していくのがわかった。
奴の能力が分からなくても、アレに当たったら間違いなく致命傷だというのはわかる。
奴の周囲の空気が加熱され、スーツ越しの俺の皮膚にすらその熱が伝わってくるのだ。
こんな攻撃が直撃したら………間違いなく俺は死ぬ。
「やべっ………!だあぁぁぁぁぁぁっ!」
咄嗟に飛び退き回避に転ずるも、間に合わない。
こっちはフォトンダッシュで敏捷性を限りなく強化しているのに、だ。
奴の強烈な回し蹴りは飛び退いた俺の腰を掠めると、その風圧だけで俺の装甲を強引に引きちぎり吹っ飛ばした。
まるで蹴り飛ばしたボールの如く何メートルも吹っ飛ばされ数回地面に叩きつけられる。
途中頭を強打するも、被っているメットのおかげで衝撃は最小限に押さえられた。
しかし……………
「ぐっ……………!!」
そもそも蹴りの威力が強すぎて全身が痛い。
スーツも普段受けないレベルでダメージを負ったようで、ヘッドバイザーから警告音が響き渡り、仮面の下のモニターには被害状況が表示される。
………同じエクスライザーを使ってても、戦闘力にここまで差が出るのかよ。
一番最初のカニとコウモリが合体した奴以外は俺一人じゃどうにもならないくらいに強かった。
しかし……これは明らかに今まで戦ってきた奴らの誰よりも強い。
なんせ勇騎さんや将さんだって歯が立たなかったくらいだからな………。
「勝利さんっ………!!」
「…………ルーシー、俺は大丈夫だから」
──“そのまま続けてくれ”。
俺は駆け寄ってきたルーシーに耳打ちすると彼女を無理やり下がらせた。
俺は勇騎さんや将さん……いや輝や理緒たちと比べても、確かに素人だ。
だが、目の前の敵の力量を見誤るほど間抜けじゃない。
戦士としての実力も、変身した後の能力も……奴の方が間違いなく上手。
だが……ここで撤退なんてすれば、横たわるこの3人は………こまちはどうなる?
それに奴はほんの僅かな時間だったが、ノエルを知っている素振りを見せた。
それに名前も呼んでいた。
ノエルの記憶に関わる何かを確実に知っているはずだ。
それをなんとしても聞き出さないと。
──『逃げる』なんて選択肢はない。
勝って必ずノエルの記憶に繋がる情報を聞き出してみせる。
そして、ルーシーこそが……この不利な状況を変えるための切り札なのだ。
フォトンダッシュによる高速移動下での攻撃を受け止めるキングデストロイヤー。
『王を打ち倒す者』の名に恥じない反応速度だ。
ベースとなったカプセルに宿った怪人がどんな能力を持っているかは分からない上に実際に奴と戦ったのはそこで倒れてる3人だけなので目の前のエクスキメラがどんな能力を持っているかは分からないが、こちらの高速移動に追随出来たんだ。
恐らくは索敵能力……いや、未来予知や未来予測に近い能力を使えると見ていいだろう。
明らかに他のライダーたちよりスペックの高いヴァルツの高速移動に対応するのなら、未来予知や未来予測の類の能力を使わなければ無理だからな。
「君たちのリーダーのフルチン父さんが何も出来ずにやられたんだ。
ド素人の君がァ………僕に敵うわけないだろっ!」
《アナザーディケイド!バースト!》
「そらっ!!」
奴と切り結ぶ中、漆黒のエネルギーが奴の右足に収束していくのがわかった。
奴の能力が分からなくても、アレに当たったら間違いなく致命傷だというのはわかる。
奴の周囲の空気が加熱され、スーツ越しの俺の皮膚にすらその熱が伝わってくるのだ。
こんな攻撃が直撃したら………間違いなく俺は死ぬ。
「やべっ………!だあぁぁぁぁぁぁっ!」
咄嗟に飛び退き回避に転ずるも、間に合わない。
こっちはフォトンダッシュで敏捷性を限りなく強化しているのに、だ。
奴の強烈な回し蹴りは飛び退いた俺の腰を掠めると、その風圧だけで俺の装甲を強引に引きちぎり吹っ飛ばした。
まるで蹴り飛ばしたボールの如く何メートルも吹っ飛ばされ数回地面に叩きつけられる。
途中頭を強打するも、被っているメットのおかげで衝撃は最小限に押さえられた。
しかし……………
「ぐっ……………!!」
そもそも蹴りの威力が強すぎて全身が痛い。
スーツも普段受けないレベルでダメージを負ったようで、ヘッドバイザーから警告音が響き渡り、仮面の下のモニターには被害状況が表示される。
………同じエクスライザーを使ってても、戦闘力にここまで差が出るのかよ。
一番最初のカニとコウモリが合体した奴以外は俺一人じゃどうにもならないくらいに強かった。
しかし……これは明らかに今まで戦ってきた奴らの誰よりも強い。
なんせ勇騎さんや将さんだって歯が立たなかったくらいだからな………。
「勝利さんっ………!!」
「…………ルーシー、俺は大丈夫だから」
──“そのまま続けてくれ”。
俺は駆け寄ってきたルーシーに耳打ちすると彼女を無理やり下がらせた。
俺は勇騎さんや将さん……いや輝や理緒たちと比べても、確かに素人だ。
だが、目の前の敵の力量を見誤るほど間抜けじゃない。
戦士としての実力も、変身した後の能力も……奴の方が間違いなく上手。
だが……ここで撤退なんてすれば、横たわるこの3人は………こまちはどうなる?
それに奴はほんの僅かな時間だったが、ノエルを知っている素振りを見せた。
それに名前も呼んでいた。
ノエルの記憶に関わる何かを確実に知っているはずだ。
それをなんとしても聞き出さないと。
──『逃げる』なんて選択肢はない。
勝って必ずノエルの記憶に繋がる情報を聞き出してみせる。
そして、ルーシーこそが……この不利な状況を変えるための切り札なのだ。