Episode.10 LUCY
──LUCY SIDE ──
「………ルーシー、ノエルとこまちを頼む!」
おとうさんがあの“亡”という鎧の戦士と戦っている頃。
私たち3人を連れて、勝利さんは被害が及ばない駅まで逃げてきました。
駅の建物には大きく『願葉駅』とかかれています。
どうやらここがこの街の“中心”のようですね。
勝利さんは念のために理緒さんにも連絡も入れており、理緒さんもあと10分くらいで合流出来るとのこと。
ですが…………
「待ってください!」
──気がつけば私は、鎧を纏った勝利さんの手を掴んでいました。
私にどうにか出来る問題ではない、それはわかっていました。
それでも、私は………
「……私も連れていってください」
「ルーシー………」
「あの少年から得体の知れないものを感じました………。
嫌な予感がします。
このままじゃおとうさんが………」
我ながら無茶苦茶なことを言っているのもわかっています。
それで勝利さんを困らせていることも。
そしてノエルさんやこまちさんを置き去りにするべきでないことも。
でも………それでもあの人は………呼道勇騎さんは私のおとうさんなんです。
───心配にならないわけなんかない。
「で、でもさ………」
「………連れていってあげたら?」
戸惑う勝利さんの背後から聞こえてくる声。
勝利さんが振り向いた、その視線の先には理緒さんがいました。
「理緒!?」
予定より早めに到着した理緒さん。
なんでそんなにはやいのかは疑問が残るところなのですが、そうも言っている場合ではありません。
私は勝利さんにすがるように両手で彼の手を握りました。
「お願いします!私をおとうさんのところに!」
「大丈夫。ノエルちゃんとそのヒューマギアの女の子はボクがなんとか護るからさ。
それに大切な人を想うのはルーシーちゃんも勝利くんも同じでしょ?」
「あー………!」
勝利さんは困りきった様子でメットアーマーに包まれた頭を掻きました。
そして一呼吸置いた後………
「わかった!わーったよ!その代わり無茶だけはするなよ!!」
「ありがとうございます………!」
根負けした勝利さんが私の申し出を飲むと、私は勝利さんに抱えられるという形で戦場へと向かうのでした。
「………ルーシー、ノエルとこまちを頼む!」
おとうさんがあの“亡”という鎧の戦士と戦っている頃。
私たち3人を連れて、勝利さんは被害が及ばない駅まで逃げてきました。
駅の建物には大きく『願葉駅』とかかれています。
どうやらここがこの街の“中心”のようですね。
勝利さんは念のために理緒さんにも連絡も入れており、理緒さんもあと10分くらいで合流出来るとのこと。
ですが…………
「待ってください!」
──気がつけば私は、鎧を纏った勝利さんの手を掴んでいました。
私にどうにか出来る問題ではない、それはわかっていました。
それでも、私は………
「……私も連れていってください」
「ルーシー………」
「あの少年から得体の知れないものを感じました………。
嫌な予感がします。
このままじゃおとうさんが………」
我ながら無茶苦茶なことを言っているのもわかっています。
それで勝利さんを困らせていることも。
そしてノエルさんやこまちさんを置き去りにするべきでないことも。
でも………それでもあの人は………呼道勇騎さんは私のおとうさんなんです。
───心配にならないわけなんかない。
「で、でもさ………」
「………連れていってあげたら?」
戸惑う勝利さんの背後から聞こえてくる声。
勝利さんが振り向いた、その視線の先には理緒さんがいました。
「理緒!?」
予定より早めに到着した理緒さん。
なんでそんなにはやいのかは疑問が残るところなのですが、そうも言っている場合ではありません。
私は勝利さんにすがるように両手で彼の手を握りました。
「お願いします!私をおとうさんのところに!」
「大丈夫。ノエルちゃんとそのヒューマギアの女の子はボクがなんとか護るからさ。
それに大切な人を想うのはルーシーちゃんも勝利くんも同じでしょ?」
「あー………!」
勝利さんは困りきった様子でメットアーマーに包まれた頭を掻きました。
そして一呼吸置いた後………
「わかった!わーったよ!その代わり無茶だけはするなよ!!」
「ありがとうございます………!」
根負けした勝利さんが私の申し出を飲むと、私は勝利さんに抱えられるという形で戦場へと向かうのでした。