Episode.10 LUCY
──RIVAL SIDE──
「エクスキメラか……!」
《SET UP!》
目の前の子供……少なくとも勝利より幼い印象を与えられるコイツはエクスライザーをもっている時点で“組織”の人間だと分かる。
この間の来栖とか言う奴はなんとか出来たが、こないだ病院送りにされた一海に似た男……アポロンと同じように出し惜しみをして勝てるような敵ではないと直感で分かる。
おそらくコイツは、アポロン以上の実力者。
───おそらく、最も“アイツ”に近い存在だ。
ここは…………一気に決めさせてもらう!
ジュエルとは異なる追加のデバイス。
これが俺に与えられたスマホ型のアイテム『エデン』。
全ての平成ライダーの力を束ねる、まさに王にふさわしい力。
《オーバーロード!オーミネーション!!》
ベルトに装填すると、俺の体に無数の光が収束していく。
そして視界が一瞬真っ白に染まると、収束した光は弾け、俺の姿を白銀に染めた。
これが俺の究極の力。“全智”を名を関するリベルの究極形態……『リベル・オーミネーション』。
その第一形態であるシールズが降臨した。
「チマチマ一人ずつ潰すのもメンドいからさ、ふたり同時にかかってきなよ。
じゃなきゃつまんないからさ………!」
剣を構える奴の頭上には無数の剣。
これは……勝利じゃなきゃ耐えられないし、ルーシーやノエル、それからこまちを護れない。
「勝利……ルーシーたちを安全な所に逃がしてやってくれ」
「………分かってる。そっちは任せたよフルチン父さん」
「フルチン父さんは止めろ………っ!」
《リヒト!バースト!!》
勝利の軽口とヴァルツが高速移動により3人を安全な所に逃がしに行ったのを背中に感じ、俺は武器を構え、駆け出す。
降り注ぐ無数の刃を掻い潜り、俺は奴に肉薄、その刃を振り下ろした。
しかし…………
────ガキンッ
奴の装甲を捉え火花が飛び散る。
奴は防御も回避もせずにその攻撃を受けた。
しかし、ただの斬撃に奴を撃破するだけの力はなく奴の装甲に傷ひとつつけられない。
「確かに速いねぇ………
父さんが気にかけるわけだよ………」
「父さん………!?」
「あれー?会ってなかったっけぇ?
────“ジニア・ロックディール”
新世界を統べる、僕たちの“王サマ”だよっ!!」
「っ!!…………ぐっ!!」
───その名前を聞いた時、俺の体が俺の意思に反してこわばったのがわかった。
咄嗟のことで体が動かず、奴の蹴りを受ける。
ボールの如く吹っ飛ばされ、何度も地面に叩きつけれる俺の体。
蹴りの衝撃はオーミネーションの装甲やスーツ内の人工筋肉をもってしても防ぎきることは出来ず、俺はその衝撃でスーツ内で嘔吐してしまう。
吐瀉物で塞がれる視界。
衣服を切り裂かれ全裸にされたことでリベルのスーツが吐瀉物を吸い俺の体に貼りつき、その不快感と吐瀉物特有の臭いによりさらに吐き気が込み上げてくる。
クソッ、こっちはまだ怪我が完治してないってのに……!
「くそっ………!」
この世界に迷い込み、俺は“あの男”に出会った。
そして語られた事実は世界を救い、仲間たちと共に生きる世界を勝ち取った俺を地獄に叩き落とした。
仲間たちも家族も………もう“既に存在しない”。
そして仲間たちと勝ち取った平和も全て崩れ落ちたのだ。
そして俺と同じようにこの世界に迷い混んだ新しい仲間たちと出会ったが、仲間たちはその事実を知らない。
どうやら俺だけがこの事実を告げられたようなのだ。
そして俺は……その事実を仲間たちに告げられずにいる。
「エクスキメラか……!」
《SET UP!》
目の前の子供……少なくとも勝利より幼い印象を与えられるコイツはエクスライザーをもっている時点で“組織”の人間だと分かる。
この間の来栖とか言う奴はなんとか出来たが、こないだ病院送りにされた一海に似た男……アポロンと同じように出し惜しみをして勝てるような敵ではないと直感で分かる。
おそらくコイツは、アポロン以上の実力者。
───おそらく、最も“アイツ”に近い存在だ。
ここは…………一気に決めさせてもらう!
ジュエルとは異なる追加のデバイス。
これが俺に与えられたスマホ型のアイテム『エデン』。
全ての平成ライダーの力を束ねる、まさに王にふさわしい力。
《オーバーロード!オーミネーション!!》
ベルトに装填すると、俺の体に無数の光が収束していく。
そして視界が一瞬真っ白に染まると、収束した光は弾け、俺の姿を白銀に染めた。
これが俺の究極の力。“全智”を名を関するリベルの究極形態……『リベル・オーミネーション』。
その第一形態であるシールズが降臨した。
「チマチマ一人ずつ潰すのもメンドいからさ、ふたり同時にかかってきなよ。
じゃなきゃつまんないからさ………!」
剣を構える奴の頭上には無数の剣。
これは……勝利じゃなきゃ耐えられないし、ルーシーやノエル、それからこまちを護れない。
「勝利……ルーシーたちを安全な所に逃がしてやってくれ」
「………分かってる。そっちは任せたよフルチン父さん」
「フルチン父さんは止めろ………っ!」
《リヒト!バースト!!》
勝利の軽口とヴァルツが高速移動により3人を安全な所に逃がしに行ったのを背中に感じ、俺は武器を構え、駆け出す。
降り注ぐ無数の刃を掻い潜り、俺は奴に肉薄、その刃を振り下ろした。
しかし…………
────ガキンッ
奴の装甲を捉え火花が飛び散る。
奴は防御も回避もせずにその攻撃を受けた。
しかし、ただの斬撃に奴を撃破するだけの力はなく奴の装甲に傷ひとつつけられない。
「確かに速いねぇ………
父さんが気にかけるわけだよ………」
「父さん………!?」
「あれー?会ってなかったっけぇ?
────“ジニア・ロックディール”
新世界を統べる、僕たちの“王サマ”だよっ!!」
「っ!!…………ぐっ!!」
───その名前を聞いた時、俺の体が俺の意思に反してこわばったのがわかった。
咄嗟のことで体が動かず、奴の蹴りを受ける。
ボールの如く吹っ飛ばされ、何度も地面に叩きつけれる俺の体。
蹴りの衝撃はオーミネーションの装甲やスーツ内の人工筋肉をもってしても防ぎきることは出来ず、俺はその衝撃でスーツ内で嘔吐してしまう。
吐瀉物で塞がれる視界。
衣服を切り裂かれ全裸にされたことでリベルのスーツが吐瀉物を吸い俺の体に貼りつき、その不快感と吐瀉物特有の臭いによりさらに吐き気が込み上げてくる。
クソッ、こっちはまだ怪我が完治してないってのに……!
「くそっ………!」
この世界に迷い込み、俺は“あの男”に出会った。
そして語られた事実は世界を救い、仲間たちと共に生きる世界を勝ち取った俺を地獄に叩き落とした。
仲間たちも家族も………もう“既に存在しない”。
そして仲間たちと勝ち取った平和も全て崩れ落ちたのだ。
そして俺と同じようにこの世界に迷い混んだ新しい仲間たちと出会ったが、仲間たちはその事実を知らない。
どうやら俺だけがこの事実を告げられたようなのだ。
そして俺は……その事実を仲間たちに告げられずにいる。