Episode.10 LUCY
──Re:Build SIDE ──
「さて、と………」
薄暗い空間。
暗闇にボンヤリと何かの映像やデータが浮かびか上がるその場所にはデスクや機材と言ったものは何もなく、ただただ広い空間だけがそこにある。
ここが“僕たち”のアジトの中枢。
そして、僕のお気に入りの場所でもある。
「…………まさかここまで時空が混線してるとはね。
まぁ、これで僕も動きやすくなったからいいんだけどさ」
目の前に現れたモニターに映し出されるのは金髪の少女型アンドロイド……“ルーシー”。
元々は『リベルの世界にて呼道勇騎が作った人工知能搭載人型ロボット』。
それも今よりもずっと未来の時間軸で作られたものだ。
しかし、ルーシーが生まれる『リベルの世界』は『この世界』に侵食され消え去った。
つまりは、リベルの世界の消滅とともにはルーシーが生まれる未来も消え去ったはずなのだ。
──だが、その存在するはずもないルーシーはこの世界に存在している。
これは、僕たち………いや、僕にとっても都合がいい。
「ふふっ………これもハルシオンの導きって奴かな……」
僕の『切り札』はメンテナンス中だが、父さんからもらったものがある。
それに今はルーシーだけでなく、父さんに敗れた呼道勇騎も、それに『妹』もいる。
せっかくだから、ちょっと遊びに行こうかな。
………おっと。
僕の自己紹介がまだだったよね。
僕は『ジル・ロックディール』。
“次代の王”を導く者。
いや、それとも………“次代の王になる者”とでもいえばいいかな?
「さて、と………」
薄暗い空間。
暗闇にボンヤリと何かの映像やデータが浮かびか上がるその場所にはデスクや機材と言ったものは何もなく、ただただ広い空間だけがそこにある。
ここが“僕たち”のアジトの中枢。
そして、僕のお気に入りの場所でもある。
「…………まさかここまで時空が混線してるとはね。
まぁ、これで僕も動きやすくなったからいいんだけどさ」
目の前に現れたモニターに映し出されるのは金髪の少女型アンドロイド……“ルーシー”。
元々は『リベルの世界にて呼道勇騎が作った人工知能搭載人型ロボット』。
それも今よりもずっと未来の時間軸で作られたものだ。
しかし、ルーシーが生まれる『リベルの世界』は『この世界』に侵食され消え去った。
つまりは、リベルの世界の消滅とともにはルーシーが生まれる未来も消え去ったはずなのだ。
──だが、その存在するはずもないルーシーはこの世界に存在している。
これは、僕たち………いや、僕にとっても都合がいい。
「ふふっ………これもハルシオンの導きって奴かな……」
僕の『切り札』はメンテナンス中だが、父さんからもらったものがある。
それに今はルーシーだけでなく、父さんに敗れた呼道勇騎も、それに『妹』もいる。
せっかくだから、ちょっと遊びに行こうかな。
………おっと。
僕の自己紹介がまだだったよね。
僕は『ジル・ロックディール』。
“次代の王”を導く者。
いや、それとも………“次代の王になる者”とでもいえばいいかな?