Episode.10 LUCY
何はともあれ、俺たち3人はムトーナノカドーの店内へと入っていく。
しかしエスカレーターを昇る時、ノエルは俺の背中を押し、先頭に行かせようとする。
「わわっ、のえるんどうしたんだよ!?」
「勝利、先行って!絶対パンツ見る!」
その顔は焼いた餅のように膨れっ面。
あー、こないだのあれとかやっぱり気にしてるんだなぁ。
でもヒメと戯れてるとき、のえるん割とスカートの方に意識向いてないからパンツ丸見えだったりするんだよなぁ………ぐへへ。
「またえっちな事考えてる………!」
「あたたた!」
またもやノエルは俺の尻の肉をつねってくる。
これ、地味に痛いんだよ。
でも、ご褒美なんでオーケーです☆
「もう………」
そんな俺とノエルを見て、ルーシーは困ったように笑うとノエルの頭を撫でた。
まるでルーシーがお姉さんで、ノエルが妹。
本当に見ていて微笑ましくなる光景だ。
「ルーシー、やめて。私、子供じゃない……」
「あっ、ごめんなさい………。
その、なんか私の“妹”を思い出しちゃって…………」
「妹!?ルーシー妹いるの!?」
思わず声が裏返るほどに大きな声が出てしまったが………
………これまた驚いた。
まさかルーシーに妹がいたとは。
ヒメに姉がいるとか、そういうアレ的なアレなのだろうか………よーわからんが。
「えっと………妹と言っても私と違ってロボットじゃなくて、人間の女の子なんですが………。
その……勇騎博士の娘さんで…………」
「あぁ、さっき言ってた…………」
そういえばさっきも言ってたな……。
その話に出てた女の子が妹って訳ね。
しかし、その話をした途端ルーシーは急に俯き寂しそうな目をした。
「私は、その…………あの子の姉として作られたエルフィリードですから……
せめて、あの子が一人前になるまでは一緒にいたいのだけど………私、ポンコツだからきっと捨てられちゃいますね」
自虐するように笑うルーシー。
俺はその顔を見たらいてもたってもいれれなくなった。
きっと……“あの頃の自分たち”に彼女が重なって見えたんだ。
やがて、2階のフロアが見えてきた。
俺は一足先にエスカレーターから降りると、ノエルとルーシーを待ち、ふたりがエスカレーターから降りると俺はルーシーの両肩に自らの掌を乗せた。
「ひゃっ!?」
「………ルーシー。
本当にあの勇騎さんが君を作ったのなら、勇騎さんが君を捨てると思う?」
ルーシーを見つめて、その質問を投げ掛けた。
出会って間もないが、勇騎さんは『なんだかんだ言って』いい人だ。
今日も訳のわからないものを作ってたけど、ノエルを助ける時も嫌な顔ひとつせずに助けてくれたしな。
ルーシーは今にも泣き出しそうな顔をすると、俯いて言葉を紡いでいく。
「………思いません。
勇騎博士………ううん、おとうさんは確かに奇行は多いし、頭のネジが外れてるなって思うところは多々ありました。
正直、私よりポンコツです………。
でも…………。あの人は、私を家族として迎えてくれました。
ラーニング不足のポンコツな私にも、実の娘のように接してくれました。
私は、そんなポンコツなおとうさんが……っ!」
「…………誰がポンコツだっ」
「ひゃんっ!?」
ルーシーの言葉を遮るように、手刀を叩き込む影。
あぁ、噂をすればなんとやらか………。
「「勇騎さん…………」」
そう、ポンコツ博士こと呼道勇騎。
まさにご本人登場である。
俺とノエルは勇騎さんに冷たい視線を送る。
「な、なんだよ…………?」
「……勇騎さんの、バカ」
「………本当にポンコツじゃねーかアホ」
ルーシーの言葉、最後まで聞いてやれ!勇騎さん!
しかしエスカレーターを昇る時、ノエルは俺の背中を押し、先頭に行かせようとする。
「わわっ、のえるんどうしたんだよ!?」
「勝利、先行って!絶対パンツ見る!」
その顔は焼いた餅のように膨れっ面。
あー、こないだのあれとかやっぱり気にしてるんだなぁ。
でもヒメと戯れてるとき、のえるん割とスカートの方に意識向いてないからパンツ丸見えだったりするんだよなぁ………ぐへへ。
「またえっちな事考えてる………!」
「あたたた!」
またもやノエルは俺の尻の肉をつねってくる。
これ、地味に痛いんだよ。
でも、ご褒美なんでオーケーです☆
「もう………」
そんな俺とノエルを見て、ルーシーは困ったように笑うとノエルの頭を撫でた。
まるでルーシーがお姉さんで、ノエルが妹。
本当に見ていて微笑ましくなる光景だ。
「ルーシー、やめて。私、子供じゃない……」
「あっ、ごめんなさい………。
その、なんか私の“妹”を思い出しちゃって…………」
「妹!?ルーシー妹いるの!?」
思わず声が裏返るほどに大きな声が出てしまったが………
………これまた驚いた。
まさかルーシーに妹がいたとは。
ヒメに姉がいるとか、そういうアレ的なアレなのだろうか………よーわからんが。
「えっと………妹と言っても私と違ってロボットじゃなくて、人間の女の子なんですが………。
その……勇騎博士の娘さんで…………」
「あぁ、さっき言ってた…………」
そういえばさっきも言ってたな……。
その話に出てた女の子が妹って訳ね。
しかし、その話をした途端ルーシーは急に俯き寂しそうな目をした。
「私は、その…………あの子の姉として作られたエルフィリードですから……
せめて、あの子が一人前になるまでは一緒にいたいのだけど………私、ポンコツだからきっと捨てられちゃいますね」
自虐するように笑うルーシー。
俺はその顔を見たらいてもたってもいれれなくなった。
きっと……“あの頃の自分たち”に彼女が重なって見えたんだ。
やがて、2階のフロアが見えてきた。
俺は一足先にエスカレーターから降りると、ノエルとルーシーを待ち、ふたりがエスカレーターから降りると俺はルーシーの両肩に自らの掌を乗せた。
「ひゃっ!?」
「………ルーシー。
本当にあの勇騎さんが君を作ったのなら、勇騎さんが君を捨てると思う?」
ルーシーを見つめて、その質問を投げ掛けた。
出会って間もないが、勇騎さんは『なんだかんだ言って』いい人だ。
今日も訳のわからないものを作ってたけど、ノエルを助ける時も嫌な顔ひとつせずに助けてくれたしな。
ルーシーは今にも泣き出しそうな顔をすると、俯いて言葉を紡いでいく。
「………思いません。
勇騎博士………ううん、おとうさんは確かに奇行は多いし、頭のネジが外れてるなって思うところは多々ありました。
正直、私よりポンコツです………。
でも…………。あの人は、私を家族として迎えてくれました。
ラーニング不足のポンコツな私にも、実の娘のように接してくれました。
私は、そんなポンコツなおとうさんが……っ!」
「…………誰がポンコツだっ」
「ひゃんっ!?」
ルーシーの言葉を遮るように、手刀を叩き込む影。
あぁ、噂をすればなんとやらか………。
「「勇騎さん…………」」
そう、ポンコツ博士こと呼道勇騎。
まさにご本人登場である。
俺とノエルは勇騎さんに冷たい視線を送る。
「な、なんだよ…………?」
「……勇騎さんの、バカ」
「………本当にポンコツじゃねーかアホ」
ルーシーの言葉、最後まで聞いてやれ!勇騎さん!