Episode.10 LUCY
「あ、あのっ」
「「マタシャベッタァァァァァァァァァァァァァ!!」」
「あの………だから」
「「アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」」
「………………」
某CMの如く騒ぐ俺たち。
しょぼーんとした様子で黙りこむ少女ロボ。
あはっ、ちょっとやりすぎたかな?
「ごめんごめん。冗談だって………」
すかさずフォローを入れる勇騎さん。
女の子苦手って言ってた割には割とナチュラルなフォローを入れる。
「いいんです………どうせ私なんかただのポンコツロボットですよ………」
「いきなり凹む!?ていうか無駄に表情豊かすぎねぇ!?」
いじけてその場にしゃがみこみ人差し指で地面をグリグリとするその姿は、その体のスリットを見なければロボットなんてことを忘れてしまいそうな人間臭いものだった。
俺もそんな彼女の姿に素直に驚いてしまう。
勇騎さんは詳しく知らないが、この世界でずっと暮らしてきた俺はヒューマギアを見かける機会が多いのだが、技術が未発達なのか意図的にそうさせられているのか、見た目は人間と大差なくてもその表情や口調はもっと機械的でもっとロボットらしいものだった。
一部ではヒューマギアが自我を持つことを“シンギュラリティ”……『技術的特異点』なんて呼ぶが、そもそもシンギュラリティ……正確には『テクノロジカルシンギュラリティ』とはアメリカ合衆国の人工知能研究の世界的権威でもあるレイ・カーツワイル博士が提唱した概念だ。
一度自律的に作動する機械的知性が想像されると再帰的に機械的知性のバージョンアップが繰り返され人間の手には負えないスーパーインテリジェンスが誕生する』という仮説で、カーツワイル博士の話では『ポストヒューマン』なる意識をコンピューターにアップロードさせた人間と高度に発達したAIの融合により、シンギュラリティに到達すると言われている。
そのシンギュラリティに到達するのが2045年。
シンギュラリティというワードが広まったばかりの頃はそれを『2045年問題』なんて言って盛り上がっていたが……それも2年ほど前の某国から発生したなんちゃらウィルスによって一気に下火となった。
今では陰謀論が大好物な都市伝説愛好家たちの間で『ヒューマギアが自我を持つ』ことをシンギュラリティと呼称する程度に留まっている。
まっ、ウイルスが蔓延してなくてもどのみち2045年には間に合わなさそうだけどな。
「そんな事より………なぁ、君は一体………?」
俺の感想を『そんなこと』と言いはなつと、勇騎さんは少女ロボに訪ねる。
戦闘妖精中村さんとかトチ狂ったメカ作ってたけど、女の子とはいえ、やっぱり精巧なロボットが気になるのだろうか。
すると彼女は顔を上げて、勇騎さんの顔を見て驚きの一言を告げる。
「ん?
……えぇっ!?忘れたんですかお父さん!?
私です!ルーシーです!!」
「「……………………………ゑ?」」
あ、あの~……ルーシーちゃん、だっけ?
今、なんと?
勇騎さんを指して、お父さんって言ったのか?
もしかして………戦闘妖精の末っ子なのか?
いやいやいやいや…………あり得ねぇ。
だいたい勇騎さん、女の子苦手だろ。
戦闘妖精も女だったけど…………
いや、それでも言わせてくれ。
「女の子のクオリティ上がりすぎだろォォォォォォォォォォォォ!!」
こんな可愛い女の子が勇騎さんの発明であってたまるかぁぁぁっ!!!
「「マタシャベッタァァァァァァァァァァァァァ!!」」
「あの………だから」
「「アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」」
「………………」
某CMの如く騒ぐ俺たち。
しょぼーんとした様子で黙りこむ少女ロボ。
あはっ、ちょっとやりすぎたかな?
「ごめんごめん。冗談だって………」
すかさずフォローを入れる勇騎さん。
女の子苦手って言ってた割には割とナチュラルなフォローを入れる。
「いいんです………どうせ私なんかただのポンコツロボットですよ………」
「いきなり凹む!?ていうか無駄に表情豊かすぎねぇ!?」
いじけてその場にしゃがみこみ人差し指で地面をグリグリとするその姿は、その体のスリットを見なければロボットなんてことを忘れてしまいそうな人間臭いものだった。
俺もそんな彼女の姿に素直に驚いてしまう。
勇騎さんは詳しく知らないが、この世界でずっと暮らしてきた俺はヒューマギアを見かける機会が多いのだが、技術が未発達なのか意図的にそうさせられているのか、見た目は人間と大差なくてもその表情や口調はもっと機械的でもっとロボットらしいものだった。
一部ではヒューマギアが自我を持つことを“シンギュラリティ”……『技術的特異点』なんて呼ぶが、そもそもシンギュラリティ……正確には『テクノロジカルシンギュラリティ』とはアメリカ合衆国の人工知能研究の世界的権威でもあるレイ・カーツワイル博士が提唱した概念だ。
一度自律的に作動する機械的知性が想像されると再帰的に機械的知性のバージョンアップが繰り返され人間の手には負えないスーパーインテリジェンスが誕生する』という仮説で、カーツワイル博士の話では『ポストヒューマン』なる意識をコンピューターにアップロードさせた人間と高度に発達したAIの融合により、シンギュラリティに到達すると言われている。
そのシンギュラリティに到達するのが2045年。
シンギュラリティというワードが広まったばかりの頃はそれを『2045年問題』なんて言って盛り上がっていたが……それも2年ほど前の某国から発生したなんちゃらウィルスによって一気に下火となった。
今では陰謀論が大好物な都市伝説愛好家たちの間で『ヒューマギアが自我を持つ』ことをシンギュラリティと呼称する程度に留まっている。
まっ、ウイルスが蔓延してなくてもどのみち2045年には間に合わなさそうだけどな。
「そんな事より………なぁ、君は一体………?」
俺の感想を『そんなこと』と言いはなつと、勇騎さんは少女ロボに訪ねる。
戦闘妖精中村さんとかトチ狂ったメカ作ってたけど、女の子とはいえ、やっぱり精巧なロボットが気になるのだろうか。
すると彼女は顔を上げて、勇騎さんの顔を見て驚きの一言を告げる。
「ん?
……えぇっ!?忘れたんですかお父さん!?
私です!ルーシーです!!」
「「……………………………ゑ?」」
あ、あの~……ルーシーちゃん、だっけ?
今、なんと?
勇騎さんを指して、お父さんって言ったのか?
もしかして………戦闘妖精の末っ子なのか?
いやいやいやいや…………あり得ねぇ。
だいたい勇騎さん、女の子苦手だろ。
戦闘妖精も女だったけど…………
いや、それでも言わせてくれ。
「女の子のクオリティ上がりすぎだろォォォォォォォォォォォォ!!」
こんな可愛い女の子が勇騎さんの発明であってたまるかぁぁぁっ!!!