Episode.9 HOPE

「このやろ……!だったら………!」


ライジングホッパーレイダーの拳を受け、転がるスプラッシングホエールレイダー。

奴は体制を建て直すと黒いラインの入った赤いリング型のアイテムを取り出した。



《バトルレイダー!》


奴は左腕にブレスレットのようなものを装着し、カプセルをひとつ取り出し、スイッチを押し上げた。


コールされる怪物の名前。


起動させたカプセルをブレスレットに装填し、赤いリング型のアイテムで読み込ませると、奴を護るようにして2体の異形が現れた。



「行け!あいつらを殺せ!!」


「「………!」」


機械人形(ロボット)を思わせる分厚い装甲。

ガンメタのバイザーの奥から覗く赤い目。


その手には機関銃を装備している。



あのカプセルからコールされた名前から察するに『バトルレイダー』でいいのだろうか。



バトルレイダーは奴の命令を受けると、機関銃を構え機関銃から銃弾を乱射する。




「っ………!」


バトルレイダーの放った銃弾を防ぐライジングホッパーレイダー。

避けようと思えば避けられるそんな攻撃なのに、避けずに防いだ。

何故ならば奴の放った銃弾の射線上に私とローラさんがいたからだ。



「彰一さんっ!!」


「女子供を護りながらじゃ戦いづらいよなァ……

裏切り者の“ハンドレッド”さんよォォ!!」


そこにすかさずスプラッシングホエールレイダーが駆け出すと扇を振るう。

扇の直撃を受け、大きく仰け反るライジングホッパーレイダー。


2体のバトルレイダーの銃撃が更に畳み掛ける。




「彰一さんっ!

………こんなのって………!」


ライジングホッパーレイダーは………

彰一さんは、私たちを気にして思うように戦えない。


今の私たちは……いや、今の私はただのお荷物。彰一さんの弱点に過ぎない。



せめてあの2体の怪人をどうにか出来れば………。


私は指輪を握りしめると、指輪を構えた。



─蛮勇かもしれない。



──無謀かもしれない。




────でも、もうあんな想いをするのは嫌なんだ。
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