Episode.9 HOPE
「ローラ、ノゾミを頼む」
「はいっ!」
「待って………私はまだ…………!」
まだ戦える………いや、戦わなきゃならない。
そうじゃなきゃ私は…………!
私は再び指輪を構えるのだが、彰一さん……ライジングホッパーレイダーに制止されてしまう。
「いいから休んでろ………すぐに終わらせる」
「なめやがって………!」
武器である扇を構え、駆け出すスプラッシングホエールレイダー。
対するライジングホッパーレイダーはというと、全く動じずにただ奴を見据える。
「はぁっ!!」
巨大な扇が振るわれる。
風を切り、ライジングホッパーレイダーの首筋に迫るそれはたとえ私の力が全快だったとしても避けられやしない、一撃で致命傷となるほどの鋭い太刀筋である。
だが………
「ふんっ……!」
「ぐおっ!?」
ライジングホッパーレイダーは身を屈め、その一撃を回避すると一瞬の隙をつき、金色の煌めきを拳に纏わせ、拳を叩きつける。
ドンッという爆発音に似た音が響きわたると、スプラッシングホエールレイダーは大きく仰け反った。
「ぐっ……!調子づいてんじゃねぇよッ!」
スプラッシングホエールレイダーは水流を扇にまとわせるとエネルギーの塊となった水流をさながら斬撃波の如く飛ばす。
膨大な量の水流が襲い掛かる。
まさにそれは巨大な水の壁、津波のようだ。
「ふんっ………!」
軽く地面を蹴るとライジングホッパーレイダーは黄金の残像を残し、高速……否、光速で動き回り、奴の放った水流を叩き落としていく。
私の目には黄金の残光が見えるのみで、全くライジングホッパーレイダーの姿を捉えることなど出来ない。
それはどうやらあの鯨男も同じなようだ。
「はっ、速い………!」
ライジングホッパーレイダーの無数の残光が奴を惑わせ、扇を振るうものの奴が切り裂けるものは過去の光……すなわち残像のみ。
扇の刃が残像を切る度に、ライジングホッパーレイダーの強力な一撃が奴に叩き込まれていく。
「な、なんなんだよ!?クソッ!!」
「無駄だ……お前にゃ俺の姿は捉えられん」
強力な拳の一撃がスプラッシングホエールレイダーの顎を捉え、吹き飛ばす。
「凄い………!」
攻撃、スピード………どれをとっても私のホープ以上。
私はいろんな力を手に入れてきたのだが、依然としてあの人の実力には、全く届いていない。
ライダーシステムですらないのに、己の身ひとつであそこまでの力を発揮するなんて……
それだけあの人……百瀬 彰一という男が死線を潜り抜けてきたということだろうか。
私は彼の強さにすっかり魅了されていた。
これが………“希望の力”というやつなのか。
「………どう?Tシャツのセンスは最悪だけどうちの親方はサイキョーなんだからっ!」
憂いを帯びていたローラさんの表情が、天真爛漫な少女のように明るくなっている。
彼女にこんな表情をさせてしまうほどの彼はやはりただ者ではない。
…………ローラさんが、彰一さんに惚れるのもなんか分かる気がするよ。
「はいっ!」
「待って………私はまだ…………!」
まだ戦える………いや、戦わなきゃならない。
そうじゃなきゃ私は…………!
私は再び指輪を構えるのだが、彰一さん……ライジングホッパーレイダーに制止されてしまう。
「いいから休んでろ………すぐに終わらせる」
「なめやがって………!」
武器である扇を構え、駆け出すスプラッシングホエールレイダー。
対するライジングホッパーレイダーはというと、全く動じずにただ奴を見据える。
「はぁっ!!」
巨大な扇が振るわれる。
風を切り、ライジングホッパーレイダーの首筋に迫るそれはたとえ私の力が全快だったとしても避けられやしない、一撃で致命傷となるほどの鋭い太刀筋である。
だが………
「ふんっ……!」
「ぐおっ!?」
ライジングホッパーレイダーは身を屈め、その一撃を回避すると一瞬の隙をつき、金色の煌めきを拳に纏わせ、拳を叩きつける。
ドンッという爆発音に似た音が響きわたると、スプラッシングホエールレイダーは大きく仰け反った。
「ぐっ……!調子づいてんじゃねぇよッ!」
スプラッシングホエールレイダーは水流を扇にまとわせるとエネルギーの塊となった水流をさながら斬撃波の如く飛ばす。
膨大な量の水流が襲い掛かる。
まさにそれは巨大な水の壁、津波のようだ。
「ふんっ………!」
軽く地面を蹴るとライジングホッパーレイダーは黄金の残像を残し、高速……否、光速で動き回り、奴の放った水流を叩き落としていく。
私の目には黄金の残光が見えるのみで、全くライジングホッパーレイダーの姿を捉えることなど出来ない。
それはどうやらあの鯨男も同じなようだ。
「はっ、速い………!」
ライジングホッパーレイダーの無数の残光が奴を惑わせ、扇を振るうものの奴が切り裂けるものは過去の光……すなわち残像のみ。
扇の刃が残像を切る度に、ライジングホッパーレイダーの強力な一撃が奴に叩き込まれていく。
「な、なんなんだよ!?クソッ!!」
「無駄だ……お前にゃ俺の姿は捉えられん」
強力な拳の一撃がスプラッシングホエールレイダーの顎を捉え、吹き飛ばす。
「凄い………!」
攻撃、スピード………どれをとっても私のホープ以上。
私はいろんな力を手に入れてきたのだが、依然としてあの人の実力には、全く届いていない。
ライダーシステムですらないのに、己の身ひとつであそこまでの力を発揮するなんて……
それだけあの人……百瀬 彰一という男が死線を潜り抜けてきたということだろうか。
私は彼の強さにすっかり魅了されていた。
これが………“希望の力”というやつなのか。
「………どう?Tシャツのセンスは最悪だけどうちの親方はサイキョーなんだからっ!」
憂いを帯びていたローラさんの表情が、天真爛漫な少女のように明るくなっている。
彼女にこんな表情をさせてしまうほどの彼はやはりただ者ではない。
…………ローラさんが、彰一さんに惚れるのもなんか分かる気がするよ。