Episode.9 HOPE

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次の日。

ローラさんに新しいTシャツを買ってもらったものの、部屋を出て外どころか隣の部屋にいるセッテに会いに行くことすら出来なかった。

私は、またベッドの上からボンヤリと外の景色を見ている。


……僭越ながら私、ノゾミ・ナカムラが語り部をつとめさせていただきます。

 
ごめんなさいね、私が語り部で。




「…………」


窓の外から見たアイギスの街は平和そのものであり、どこか私の故郷であるウェズペリアの『アトラン王国』を思わせる光景が広がっている。


私は何をしているのだろう。


アトラン王国どころか、ウェズペリア全土も跡形もなく消えてなくなって。


私が見たのは、私の家族や仲間がウェズペリアと共に消えてなくなった光景。

しかし、私が龍の力を再び暴走させた時に私の脳裏にはある光景が映し出されていた。

ウェズペリアと交流のあった世界やそこにいた仲間たち、私と戦っていたXマジンラーもカオスファクターの連中も何も出来ずに跡形もなく消滅する光景だ。


組織の連中が消滅したのはいいのかも知れないが、ウェズペリアどころかウェズペリアと交流のあった世界までもが消えてなくなったのは辛すぎる。


私と一心同体と呼べる影の存在である『ネス』ですら、今は感じることができない。

唯一生存を確認したセッテですら、私の判断ミスにより今も生死の境をさ迷っている。


そしてライダーの力も含めた私の力も全て使い物にならなくなったしまった。

切り札であるNS能力すらも………。



私はどうすればいいの………?




「ノゾミちゃん、少し散歩に行こっか?」


背後から聞こえてくる優しい声。

振り替えってみると、そこにいたのはローラさん。



「ローラさん………」


「ホラ、もう歩けるでしょ?

1日中部屋に引きこもってたら気が滅入るよ?」


なんか気が乗らない………そう言い出せずに私は立ち上がると、私はローラさんに着替えさせてもらい、新しい服を着る。


猫耳のついた白のニーソックスに、赤茶色のワンピースとピンクの上着。



なんか私にはお上品すぎるような………。



「おぉ!似合うじゃん!ノゾミちゃん!

さぁ、アイギスの街を案内するよ!」


「えっ!?ちょっと!!」


私の言葉を聞くことなどなく、ローラさんは私の手を引くと部屋を飛び出すのであった。
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