Episode.9 HOPE
「さて、と………」
間髪入れず、カリスアローから矢を数発放つ。
1つ目の矢は奴の剣を、2つ目以降の矢は奴の持っているガイアメモリをそれぞれはたき落とした。
「……俺はお前のギラギラした強い瞳(め)は大好きだぜ?
あと妥協しないストイックさもな」
「ぐっ………うっ……!」
倒れ伏す奴を無理やり起こし、カリスアローの刃で数回奴の体を切り裂いた。
切り裂かれた奴の体からは火花が飛び散る。
正直、普段の俺ならさっさと強力な一撃を叩き込み戦いを終わらせるのだが、生憎俺にコイツを殺す意図はない。
「………だけどな、俺は“妥協”と同じくらい“無駄”も大嫌いなんだ。
今のお前にゃ“無駄”が多すぎる………!」
《Tornado》《Chop》
《Spinning Wave》
発動させる必殺技。
俺が選んだものは威力こそ劣るものの、発動するスピードも早く隙の少ない技だ。
風を纏った手刀をもはや無抵抗となった奴の体に叩き込んだ。
「ぐっ……!あぁぁぁぁぁぁっ!!」
強烈な衝撃と共に吹っ飛ばされるエクシードディスペアー。
それと共にドライバー側のセーフティシステムが作動したのかエクシードディスペアーメモリが排出され、変身が解除された。
エクシードディスペアーメモリが俺の足元に転がってきた。
………デジャブを感じるな。
「……何故だ……!?なんで私は………!」
「本当に頭が悪いんだなお前………」
「返せ!私のメモリ!!」
俺は駆け寄ってきたネスを蹴り飛ばすと奴に見えるように拾い上げたエクシードディスペアーメモリに“力”を込める。
エクシードディスペアーメモリは火花と共にメモリに宿った力が放出され、やがて普通のディスペアーメモリに戻ってしまう。
「そんな………私の……私のエクシードディスペアーメモリが………!」
「お前……ノゾミを超えたいんだろ?
“あのお方”とやらの剣になりたいんだろ?
だったら『ノゾミ・ナカムラへの執着』を今すぐ捨てろ。
じゃなきゃ一生ノゾミを超えることなど不可能だ」
「…………」
ネスは黙る。
この沈黙は『絶望の担い手』としてのプライドだろうか。
自身の主への忠誠心だろうか。
これだけ奴に“現実”を叩きつけても、奴は執着を捨てられずにいる。
それが俺という『イレギュラー』を拒んでいるんだろう。
───まぁ、奴の主とやらも今回の融合でウェズペリアや他の世界ごと綺麗さっぱり消えてなくなった以上、そんなものを後生大事に抱えていても仕方ないんだがな。
俺は変身を解除すると弱体化させたディスペアーメモリを奴に投げ返す。
「もう一度初心にかえれというこった。
心配しなくても俺がお前を強くしてやるよ。
それこそ、2回も行われたライダー大戦の、その戦いを制した連中にも負けないくらいにはな」
「………やめろ。私は子供じゃない」
そういって俺は奴の頭を撫でてみる。
嫌がっているわりには離れようとしない……というかキョトンとしている。
ハハッ、目付き悪いわりには、なかなかかわいいじゃないか。
俺にもコイツと歳の近い娘がいるが、少し思い出してしまう。
ネスとはタイプは真逆だがな。
「俺からしたらお前は子供みたいなもんなんだけどなぁ」
「そうだったな…………」
「いや、違う。永遠の24歳だ俺は」
「………嘘つけ。42になったばかりだろうが」
「言うんじゃねぇよ、そういう残酷なこと。
………まぁ、いい。帰るぞ」
───まぁ、ネスが『ノゾミへの執着を捨てる事』をはじめ、俺の言葉に納得したのかはさておき。
俺たちはこの場から引き上げる。
少なくとも俺はこう見えても忙しいのだ。
なんせ……世界を『再構築』しなければいけないんだからな。
間髪入れず、カリスアローから矢を数発放つ。
1つ目の矢は奴の剣を、2つ目以降の矢は奴の持っているガイアメモリをそれぞれはたき落とした。
「……俺はお前のギラギラした強い瞳(め)は大好きだぜ?
あと妥協しないストイックさもな」
「ぐっ………うっ……!」
倒れ伏す奴を無理やり起こし、カリスアローの刃で数回奴の体を切り裂いた。
切り裂かれた奴の体からは火花が飛び散る。
正直、普段の俺ならさっさと強力な一撃を叩き込み戦いを終わらせるのだが、生憎俺にコイツを殺す意図はない。
「………だけどな、俺は“妥協”と同じくらい“無駄”も大嫌いなんだ。
今のお前にゃ“無駄”が多すぎる………!」
《Tornado》《Chop》
《Spinning Wave》
発動させる必殺技。
俺が選んだものは威力こそ劣るものの、発動するスピードも早く隙の少ない技だ。
風を纏った手刀をもはや無抵抗となった奴の体に叩き込んだ。
「ぐっ……!あぁぁぁぁぁぁっ!!」
強烈な衝撃と共に吹っ飛ばされるエクシードディスペアー。
それと共にドライバー側のセーフティシステムが作動したのかエクシードディスペアーメモリが排出され、変身が解除された。
エクシードディスペアーメモリが俺の足元に転がってきた。
………デジャブを感じるな。
「……何故だ……!?なんで私は………!」
「本当に頭が悪いんだなお前………」
「返せ!私のメモリ!!」
俺は駆け寄ってきたネスを蹴り飛ばすと奴に見えるように拾い上げたエクシードディスペアーメモリに“力”を込める。
エクシードディスペアーメモリは火花と共にメモリに宿った力が放出され、やがて普通のディスペアーメモリに戻ってしまう。
「そんな………私の……私のエクシードディスペアーメモリが………!」
「お前……ノゾミを超えたいんだろ?
“あのお方”とやらの剣になりたいんだろ?
だったら『ノゾミ・ナカムラへの執着』を今すぐ捨てろ。
じゃなきゃ一生ノゾミを超えることなど不可能だ」
「…………」
ネスは黙る。
この沈黙は『絶望の担い手』としてのプライドだろうか。
自身の主への忠誠心だろうか。
これだけ奴に“現実”を叩きつけても、奴は執着を捨てられずにいる。
それが俺という『イレギュラー』を拒んでいるんだろう。
───まぁ、奴の主とやらも今回の融合でウェズペリアや他の世界ごと綺麗さっぱり消えてなくなった以上、そんなものを後生大事に抱えていても仕方ないんだがな。
俺は変身を解除すると弱体化させたディスペアーメモリを奴に投げ返す。
「もう一度初心にかえれというこった。
心配しなくても俺がお前を強くしてやるよ。
それこそ、2回も行われたライダー大戦の、その戦いを制した連中にも負けないくらいにはな」
「………やめろ。私は子供じゃない」
そういって俺は奴の頭を撫でてみる。
嫌がっているわりには離れようとしない……というかキョトンとしている。
ハハッ、目付き悪いわりには、なかなかかわいいじゃないか。
俺にもコイツと歳の近い娘がいるが、少し思い出してしまう。
ネスとはタイプは真逆だがな。
「俺からしたらお前は子供みたいなもんなんだけどなぁ」
「そうだったな…………」
「いや、違う。永遠の24歳だ俺は」
「………嘘つけ。42になったばかりだろうが」
「言うんじゃねぇよ、そういう残酷なこと。
………まぁ、いい。帰るぞ」
───まぁ、ネスが『ノゾミへの執着を捨てる事』をはじめ、俺の言葉に納得したのかはさておき。
俺たちはこの場から引き上げる。
少なくとも俺はこう見えても忙しいのだ。
なんせ……世界を『再構築』しなければいけないんだからな。