Episode.9 HOPE
──JINIA SIDE──
……さて、ノゾミが無事に出土した訳だが、ここで少し時間を戻そうか。
「ふぅ………」
エクスドライバーから2本のオブラートを外し、オブラートのスイッチを2本同時にオフにする。
それによりヴァルツとしての俺の体は霧散し、元のジニアとしての俺の姿に戻る。
見上げた空には既に太陽が登っており、新たな1日のスタートを告げていた。
「……それにしても清々しい朝だ。
こんなときは夜明けのコーヒーでも飲んでリフレッシュでもしたいもんだ……
───なぁ、“ネス”?」
俺の首筋に向けられた冷たいナニカ。
それはこないだ叩き折ってやったコイツの愛用の剣。
わざと気づいていないフリをしてやったのだが……こないだの時より少しは動きがマシになったか。
この小娘………赤髪と黒い瞳以外、あの壁の中でペシャンコになっているノゾミと瓜二つの女……ネス。
そんな、ネスはこないだボコったばかりのエクシードディスペアーに変身している。
そういやコイツも『絶望の担い手』と自称してたっけなぁ。
まっ……そんなこたぁどうでもいいが、どうやらこないだ顎を砕かれたばかりにも関わらず相変わらず懲りてないらしい。
あ、ちなみにネスはネスでも『ま~ざつ~』とも関係ないぞ。念のため。
「どういうつもりだ?ノゾミ・ナカムラは…………」
「………『私の宿敵で、私の超えるべき存在だ』か?
知ってるよ、飽きるほど聞いたからな」
いつものように切り替えす。
仮面越しには表情は見えない。
見えたところでもコイツは一般人と比べて表情に乏しい。
ただ、どれだけ人格が変わろうとコイツの根幹はあそこでペシャンコにされているノゾミだ。
やはりコイツもコイツで愚か者だったようだ。
「いいこと教えてやろうか、ネス………。
………『“執着"は進化の妨げ』だ」
《チェーンジ……仮面ライダーカリス……》
《Change》
「っ!?」
俺は奴の握っていた剣をはたきおとし、ジュエルドライバーで変身。
黒い装甲に赤い複眼はヴァルツと同じだが、こちらはカマキリをモチーフとしており、複眼もハートのような形の単眼、もしくはバイザー状となっている。
このライダーの名は『カリス』。
かつて運命に抗うべく戦った戦士のひとりだ。
「さっさと拾えよ……少しだけ相手してやる」
俺は専用武器であるカリスアローを構えると、奴の方へはたき落としたディスペアーサーベルを蹴る。
自分の世界では幹部クラスの強さを誇り、幾度となくノゾミを苦しめたのだろうが……コイツも俺から言わせてもらえばただの小物に過ぎん。
自分の実力も自身の置かれてる状況も理解しておらず、己の誇りを大事に抱えてやがる。
──このアホにはちょいとばかり現実を教えてやらねぇとな。
……さて、ノゾミが無事に出土した訳だが、ここで少し時間を戻そうか。
「ふぅ………」
エクスドライバーから2本のオブラートを外し、オブラートのスイッチを2本同時にオフにする。
それによりヴァルツとしての俺の体は霧散し、元のジニアとしての俺の姿に戻る。
見上げた空には既に太陽が登っており、新たな1日のスタートを告げていた。
「……それにしても清々しい朝だ。
こんなときは夜明けのコーヒーでも飲んでリフレッシュでもしたいもんだ……
───なぁ、“ネス”?」
俺の首筋に向けられた冷たいナニカ。
それはこないだ叩き折ってやったコイツの愛用の剣。
わざと気づいていないフリをしてやったのだが……こないだの時より少しは動きがマシになったか。
この小娘………赤髪と黒い瞳以外、あの壁の中でペシャンコになっているノゾミと瓜二つの女……ネス。
そんな、ネスはこないだボコったばかりのエクシードディスペアーに変身している。
そういやコイツも『絶望の担い手』と自称してたっけなぁ。
まっ……そんなこたぁどうでもいいが、どうやらこないだ顎を砕かれたばかりにも関わらず相変わらず懲りてないらしい。
あ、ちなみにネスはネスでも『ま~ざつ~』とも関係ないぞ。念のため。
「どういうつもりだ?ノゾミ・ナカムラは…………」
「………『私の宿敵で、私の超えるべき存在だ』か?
知ってるよ、飽きるほど聞いたからな」
いつものように切り替えす。
仮面越しには表情は見えない。
見えたところでもコイツは一般人と比べて表情に乏しい。
ただ、どれだけ人格が変わろうとコイツの根幹はあそこでペシャンコにされているノゾミだ。
やはりコイツもコイツで愚か者だったようだ。
「いいこと教えてやろうか、ネス………。
………『“執着"は進化の妨げ』だ」
《チェーンジ……仮面ライダーカリス……》
《Change》
「っ!?」
俺は奴の握っていた剣をはたきおとし、ジュエルドライバーで変身。
黒い装甲に赤い複眼はヴァルツと同じだが、こちらはカマキリをモチーフとしており、複眼もハートのような形の単眼、もしくはバイザー状となっている。
このライダーの名は『カリス』。
かつて運命に抗うべく戦った戦士のひとりだ。
「さっさと拾えよ……少しだけ相手してやる」
俺は専用武器であるカリスアローを構えると、奴の方へはたき落としたディスペアーサーベルを蹴る。
自分の世界では幹部クラスの強さを誇り、幾度となくノゾミを苦しめたのだろうが……コイツも俺から言わせてもらえばただの小物に過ぎん。
自分の実力も自身の置かれてる状況も理解しておらず、己の誇りを大事に抱えてやがる。
──このアホにはちょいとばかり現実を教えてやらねぇとな。