Episode.8 Re:BUILD

「嘘っ!?

まっ、まだだっ!!」



一瞬にして召喚した最強形態の仮面ライダーたちが消滅させられてしまった。


特にクウガなんて歴代平成ライダーの中でも最強クラスの強さなのに、こんなにもあっさり倒されるなんて。



それでも私は懲りずに更に指輪を読み込ませていくのだが…………





「…………な、なんで!?なんで魔法がでないの!?」



ベルトに指輪をスキャンさせても全く反応しない。

私だってXマジンラーとの戦いで鍛えられている。

だからこそ断言できる。私の魔力は尽きていない!





「いい加減気づけ………。


……自分たちの能力が“無力化されてる”ってことに」





「………え………?」




───無力化。



確かにありきたりな能力だ。


相手の能力を封じこめ、戦いを自身にとって有利に運んでいく能力。


奴の実力が未知数で奴を圧倒することに気をとられて、そんなことひとつも考えてなかった。




「この仮面ライダーは“バールクス”って言ってな。

かつて、『クォーツァー』なる歴史の管理者の集団を統率していた王が使っていたものだ。


その能力は、『全ての平成ライダーの無力化』。


まさに、節操もなく中途半端に様々な力に手を出した挙げ句、平成ライダーの枠からも抜け出せなかった薄っぺらくて中身もスカスカなお前の相手にうってつけのライダーだろ?」




───なにそれ。



この世界じゃ仮面ライダー以外の力は全部消えてなくなるんだよね?


だから仮面ライダーとして戦わなきゃいけないんだよね?



仮面ライダーホープは仮面ライダーウィザードと仮面ライダーダブルの……

ふたりの平成ライダーのハイブリッドの仮面ライダー。




平成ライダーの力まで消されるんだったら…………







私には………





私には………………







一体、何が残るの………………?






「………………だから言ったんだよ。

見逃してやるから“失せろ”って。


それとも何だ?

本気を出せば勝てるとでも思ったか?



ハッ………判断を誤ったな………お前」



仮面越しからでもわかる哀れみの目。



そうだ………最初から奴には勝てなかったんだ。


………奴が変身を解いたあの時、セッテを抱えて逃げるべきだったんだ。



あぁ、私って本当にバカ。



アイツの言う通りだ………私は本当に薄っぺらい。
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