Episode.8 Re:BUILD

私の頭に叩き込まれる国民の最期の瞬間のビジョン。


断末魔と共にほどけて、薄桃色の肉片となって消えてなくなる人々。




そこには私の友人たちもいた。



みんな例外なく崩れていく。ほどけて消えてゆく。

苦しそうな顔で消えてゆく。

臓物や血飛沫、垂れ流した糞尿すらも全てほどけて消えていく。




頭がおかしくなりそうだった。


私の大切な人たちが助けることも出来ずに消えていくんだ。





「お父さん!お母さん!ヴェルザ!みんな!!」


「ノゾミお姉ちゃん!助けて!助けてよ!!

あァァァァァァ

ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"………!!」



───それでも止めなきゃって思ってた。


そして、この騒動を起こしている奴を倒せばまた元通りなんだって。



だからセッテと一緒に“光”の、その中心に向かって走っていった。



たどり着いたそこにはお父さんとお母さんと妹のヴェルザ……そして騒動を止めるべく戦う他の仲間たちがいた。


でも、奮闘虚しく………




仲間たちが………ヴェルザが………お父さんとお母さんが…………




崩れていく。溶けていく。


人の形から、皮膚から引き剥がされるように解体され……

ただの肉片と体液になって……


それから………




まるで天に登っていくかのように跡形もなくバラバラに分解され光に還ってゆく。



力さえあれば………強くなればみんなを護ることができると思ってた。



そして、誰よりも強い力を手に入れた私はもう誰にも負けないとすら思っていた。




でも、それはただの思い上がり。





“世界の終わり”という結末の前には………






────私は、無力だ。















「「アァァァァァァァァァァァァァ!!」」





………私とセッテの慟哭が響く中、真っ白な光と共に目の前が真っ暗になった。
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