Episode.8 Re:BUILD

「嘘だっ!!

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!

嘘だ……嘘だそんなこと!!!

何を証拠にそんなこと!?」



呼吸が荒くなる。冷や汗が吹き出す。

体が震えて、寒気がする。

それと同時に私の頭の中に浮かぶビジョン。


それはまるでノイズがかかっているかのように漠然としたものだ。



だが………この漠然としたビジョンこそか真実なのだと理解出来てしまう。


だってこれは私が実際に体験したこと。

目の前で起きた出来事なのだから。




「………お前も本当はわかってるんだろ?

それとももう一回見たいか?あの光景を」


言いながら奴は私の頭を無理やり掴み、『ナニカ』を流し込む。



「ノゾミッ!……ノゾミを離せ!!」


私を助けようと無理やり体を起こし、奴に掴みかかるがイージスは奴に蹴り飛ばされ、壁に激突する。

舞い上がる埃と塵。

それによりイージスの姿は見えなくなる。




「セッテ!!」


「後で遊んでやるから、お前は黙って待ってろ………」


──おかしい、あれだけのダメージなのにイージスの変身が解除されない。


普段ならある程度ダメージが蓄積されたら変身者が安全に離脱できるようにセーフティシステムが発動し、『強制変身解除』といって変身が自動的に解除されるのだ。


しかし、今のイージスにはそれが発動する様子は見られない。


あの一撃はどうみても強制変身解除されるほどの一撃だ。




もしかして………イージスのセーフティシステムが壊されたの!?




「他人の心配してる場合か?」


「うっ………あぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


私の脳裏には映像。

これは……私の記憶だ。


そう、あのノイズがかかって不明瞭なビジョンだ。


それが奴の力により次第に鮮明になってゆく。



い、嫌だ………見たくない。見せるな。



しかし………抵抗もむなしく、私の意識は記憶の向こう側へと飛ばされるのであった。
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