Episode.8 Re:BUILD
「………“並行世界(パラレルワールド)”
本来ならば互いに干渉しないはずの独立した世界。
それらの世界にそれぞれ仮面ライダーが生まれ、そのライダーたちが『世界の中核を担う』ことで世界の均衡を保ってきたんだ。
………軽い気持ちとはいえ仮面ライダーになった以上、そこまではおつむの弱いお前らでも分かるな?」
イージスから針を引き抜き、私のすぐそばまで蹴り飛ばすと、奴は話を始める。
その口調は淡々と、まるでノルマでもこなすよう。
「………そして、仮面ライダーのいない世界は消えてなくなる。
だが……そんな世界たちは仮面ライダーのいる世界と融合することで消滅を免れた。
お前たちの世界……『ウェズペリア』なんかがまさにソレだよ。
お前たちのような仮面ライダーが生まれ、ウルトラマンの世界だとか勇者の世界だとかがお前たちの世界に交わったことで、お前たちの世界のなかで消滅せずに残っている。
そして、ノゾミ・ナカムラが現在ウェズペリアの『世界の中核を担うライダー』となることで世界の均衡を保っていた」
遠回しにまどろっこしい表現をしながら話を続ける。
それが私たちの現状とどう繋がるのかは分からない。
でも………なんだろう、すごく心がざわつく。
理解出来ないのではない。
理解することを拒んでいるのだ。
「そして………“この世界”は
“プライム”………
“ガンバライダー”…………
“アニマル”………
そして…………“ヴァルツ”。
この世界だけでも世界の均衡を保つ、『中核を担うライダー』になりうる者たちが何人も生まれた。
だが…………誰一人として中核を担う者にはなり得なかった。
何故ならば、それまでこの世界の中核を為していた者が他の世界とは根本から違っていたからだ」
「………何が言いたいの?」
私たちは訝しげに奴を睨む。
本当なら殴り飛ばしてやりたいのだが、立ち上がれない。
だから睨むことしか出来ない。
「その名は“ハルシオン”………。
世界の中核を担える以上、仮面ライダーに近い英雄だと思っていた時期もあった。
だが、奴はそんな単純なものですらなかった。
俺たちに血肉を与え、“宿命”の名の元に我々の思考と行動を操る存在。
そして今この瞬間も俺たちを“視ている”。
お前たちの貧相な感性で語るのなら“神”………だろうか」
───神。
私はそんな力を持つものを知っている。
そして実際に会ってもいる。
だが………。
「かつでこのハルシオンに目をつけて覚醒させたものがいた。
そして俺はごく一部とはいえ、ようやくハルシオンの力を掌握することができた。
目を覚ましたハルシオンは自分の世界にいるライダーたちだけでは満足出来ないほど強欲だったよ………。
他の世界を飲み込んで消滅させて、他の世界のライダーたちをこの世界に取り込み始めた。
そして今現在、あらゆるライダーたちの世界が飲み込まれ、あらゆるライダーがこの世界に迷い混んだ。
そして中核を担える可能性のあるものたち以外は跡形もなく消滅した…………」
「じゃ………じゃあ私たちの世界は………?
嘘、だよね?
そんなこと………!!」
この世界は……この世界に巣くうこの世界の中核を担う者『ハルシオン』は融合という形で他の世界を飲み込み、消滅させる。
そして私とセッテはこの世界にいる。
───嘘だ。
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。
そんなことがあるわけ…………。
「……ようやく気づいたか?
お前たちの世界『ウェズペリア』は………
───ハルシオンに飲み込まれて滅んだんだよ、跡形もなくな」
本来ならば互いに干渉しないはずの独立した世界。
それらの世界にそれぞれ仮面ライダーが生まれ、そのライダーたちが『世界の中核を担う』ことで世界の均衡を保ってきたんだ。
………軽い気持ちとはいえ仮面ライダーになった以上、そこまではおつむの弱いお前らでも分かるな?」
イージスから針を引き抜き、私のすぐそばまで蹴り飛ばすと、奴は話を始める。
その口調は淡々と、まるでノルマでもこなすよう。
「………そして、仮面ライダーのいない世界は消えてなくなる。
だが……そんな世界たちは仮面ライダーのいる世界と融合することで消滅を免れた。
お前たちの世界……『ウェズペリア』なんかがまさにソレだよ。
お前たちのような仮面ライダーが生まれ、ウルトラマンの世界だとか勇者の世界だとかがお前たちの世界に交わったことで、お前たちの世界のなかで消滅せずに残っている。
そして、ノゾミ・ナカムラが現在ウェズペリアの『世界の中核を担うライダー』となることで世界の均衡を保っていた」
遠回しにまどろっこしい表現をしながら話を続ける。
それが私たちの現状とどう繋がるのかは分からない。
でも………なんだろう、すごく心がざわつく。
理解出来ないのではない。
理解することを拒んでいるのだ。
「そして………“この世界”は
“プライム”………
“ガンバライダー”…………
“アニマル”………
そして…………“ヴァルツ”。
この世界だけでも世界の均衡を保つ、『中核を担うライダー』になりうる者たちが何人も生まれた。
だが…………誰一人として中核を担う者にはなり得なかった。
何故ならば、それまでこの世界の中核を為していた者が他の世界とは根本から違っていたからだ」
「………何が言いたいの?」
私たちは訝しげに奴を睨む。
本当なら殴り飛ばしてやりたいのだが、立ち上がれない。
だから睨むことしか出来ない。
「その名は“ハルシオン”………。
世界の中核を担える以上、仮面ライダーに近い英雄だと思っていた時期もあった。
だが、奴はそんな単純なものですらなかった。
俺たちに血肉を与え、“宿命”の名の元に我々の思考と行動を操る存在。
そして今この瞬間も俺たちを“視ている”。
お前たちの貧相な感性で語るのなら“神”………だろうか」
───神。
私はそんな力を持つものを知っている。
そして実際に会ってもいる。
だが………。
「かつでこのハルシオンに目をつけて覚醒させたものがいた。
そして俺はごく一部とはいえ、ようやくハルシオンの力を掌握することができた。
目を覚ましたハルシオンは自分の世界にいるライダーたちだけでは満足出来ないほど強欲だったよ………。
他の世界を飲み込んで消滅させて、他の世界のライダーたちをこの世界に取り込み始めた。
そして今現在、あらゆるライダーたちの世界が飲み込まれ、あらゆるライダーがこの世界に迷い混んだ。
そして中核を担える可能性のあるものたち以外は跡形もなく消滅した…………」
「じゃ………じゃあ私たちの世界は………?
嘘、だよね?
そんなこと………!!」
この世界は……この世界に巣くうこの世界の中核を担う者『ハルシオン』は融合という形で他の世界を飲み込み、消滅させる。
そして私とセッテはこの世界にいる。
───嘘だ。
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。
そんなことがあるわけ…………。
「……ようやく気づいたか?
お前たちの世界『ウェズペリア』は………
───ハルシオンに飲み込まれて滅んだんだよ、跡形もなくな」