Episode.8 Re:BUILD
「………っ!セッテ!まだ立てる!?」
「私は大丈夫……!」
目の前の紫のライダー……滅が立ちはだかるなか、私とイージスは立ち上がる。
大丈夫とはいうが、イージス……セッテはもうフラフラである。
私がなんとかするしかない。
相手は見たこともないライダー。
そして、そのポテンシャルもとてつもなく高い。
いや………でも逆転策はある!
「「クロックアップ!!」」
《CLOCK UP!》
ふたり同時に高速の世界に突入。
『クロックアップ』。
それはタキオン粒子と呼ばれる光より速い物質を全身に駆け巡らせることで、時間の流れが異なる世界へ突入する高速移動能力。
マスクドライダーシステムの流れを汲むイージスに搭載された機能なのだが、この私、ノゾミ・ナカムラも使用できる。
私の場合は『ニューシード』……縮めて“NS”という能力でこの高速の世界へ突入するのだ。
だから私はクロックアップをホープに変身せずとも使える。
そして、ホープに変身すればそのスピードは更に上乗せされる。
「…………!」
高速の世界から私とセッテはあの紫のライダーを一方的に切りつける。
未知のライダーとはいえ、クロックアップ出来る私たちには手も足も出ない。
とても恐ろしい相手だったけど………
「…………“一気に決める”………か?」
「っ!!!」
私の側で声が聞こえた。
同時に全身に走る悪寒。恐怖。
奴の声………そう、ジニアと名乗るあの男の声が聞こえたのだ。
この高速の世界ではクロックアップできない奴の声なんて聞こえないはずだ。
「きゃっ!!」
その瞬間、私の体は吹っ飛んでいた。
あの男の拳が私の腹部に命中したのだ。
「ノゾミっ!!」
「がっ………がはっ………!」
──重い一撃だった。
今まで戦ったその誰よりも重く鋭い一撃。
たった一発で動けなくなるなんて………。
私のクロックアップも解除されてしまう始末。
「ホント、浅はかだなお前………
クロックアップさえすれば勝てるとでも思ったか?
どれだけ異なる時間の流れに移動しようが所詮は高速移動。
現に天道総司もクロックアップを使わずに対処してただろうが……
まぁ、テメェにそれをいっても理解できねぇか」
「ぐっ…………!」
「セッテ!!」
滅はイージスの高速の世界からの攻撃を紙一重で回避しつつ、イージスに左腕の極太の針を突き立てる。
咄嗟の反撃にイージスは奴の針に突っ込むような形で奴の針の直撃を受けてしまう。
「がっ………がはっ…………!!」
セッテの体を貫いた針から滴り落ちる黒い液体。
蠍をモチーフとしていることからあれは毒なのだと容易に理解出来た。
奴を止めなきゃ!動いて私の体!!
「あぁぁぁぁっ……!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
しかし……奴は針をセッテの体に食い込ませて、その痛みを煽るように何度も何度も腕を捻る。
お屋敷に響き渡るセッテの悲鳴。
「…………その様子だと、お前たちは自分らが置かれている状況を理解してねぇみたいだな。
教えてやろうか?
……なんでお前たちがこの世界にいるのか」
黄色の複眼が妖しく輝く。
なんとも薄気味悪く、そして恐ろしい存在。
そんな奴がこのあと語る言葉は……
到底信じがたい……いや、信じたくないものであった。
「私は大丈夫……!」
目の前の紫のライダー……滅が立ちはだかるなか、私とイージスは立ち上がる。
大丈夫とはいうが、イージス……セッテはもうフラフラである。
私がなんとかするしかない。
相手は見たこともないライダー。
そして、そのポテンシャルもとてつもなく高い。
いや………でも逆転策はある!
「「クロックアップ!!」」
《CLOCK UP!》
ふたり同時に高速の世界に突入。
『クロックアップ』。
それはタキオン粒子と呼ばれる光より速い物質を全身に駆け巡らせることで、時間の流れが異なる世界へ突入する高速移動能力。
マスクドライダーシステムの流れを汲むイージスに搭載された機能なのだが、この私、ノゾミ・ナカムラも使用できる。
私の場合は『ニューシード』……縮めて“NS”という能力でこの高速の世界へ突入するのだ。
だから私はクロックアップをホープに変身せずとも使える。
そして、ホープに変身すればそのスピードは更に上乗せされる。
「…………!」
高速の世界から私とセッテはあの紫のライダーを一方的に切りつける。
未知のライダーとはいえ、クロックアップ出来る私たちには手も足も出ない。
とても恐ろしい相手だったけど………
「…………“一気に決める”………か?」
「っ!!!」
私の側で声が聞こえた。
同時に全身に走る悪寒。恐怖。
奴の声………そう、ジニアと名乗るあの男の声が聞こえたのだ。
この高速の世界ではクロックアップできない奴の声なんて聞こえないはずだ。
「きゃっ!!」
その瞬間、私の体は吹っ飛んでいた。
あの男の拳が私の腹部に命中したのだ。
「ノゾミっ!!」
「がっ………がはっ………!」
──重い一撃だった。
今まで戦ったその誰よりも重く鋭い一撃。
たった一発で動けなくなるなんて………。
私のクロックアップも解除されてしまう始末。
「ホント、浅はかだなお前………
クロックアップさえすれば勝てるとでも思ったか?
どれだけ異なる時間の流れに移動しようが所詮は高速移動。
現に天道総司もクロックアップを使わずに対処してただろうが……
まぁ、テメェにそれをいっても理解できねぇか」
「ぐっ…………!」
「セッテ!!」
滅はイージスの高速の世界からの攻撃を紙一重で回避しつつ、イージスに左腕の極太の針を突き立てる。
咄嗟の反撃にイージスは奴の針に突っ込むような形で奴の針の直撃を受けてしまう。
「がっ………がはっ…………!!」
セッテの体を貫いた針から滴り落ちる黒い液体。
蠍をモチーフとしていることからあれは毒なのだと容易に理解出来た。
奴を止めなきゃ!動いて私の体!!
「あぁぁぁぁっ……!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
しかし……奴は針をセッテの体に食い込ませて、その痛みを煽るように何度も何度も腕を捻る。
お屋敷に響き渡るセッテの悲鳴。
「…………その様子だと、お前たちは自分らが置かれている状況を理解してねぇみたいだな。
教えてやろうか?
……なんでお前たちがこの世界にいるのか」
黄色の複眼が妖しく輝く。
なんとも薄気味悪く、そして恐ろしい存在。
そんな奴がこのあと語る言葉は……
到底信じがたい……いや、信じたくないものであった。