Episode.8 Re:BUILD

「何………こいつら…………!」


徐々に近づいてくるナニカ。

夕日に照らされ徐々にだがその姿が露になる。



それは見たこともない怪物。

文字通り“透き通った”透明な表皮。
その透明な表皮により、剥き出しになった筋繊維や内臓が動いているのが見える。
蜘蛛のように細い腕が8本、背中から映えており、脳味噌から6つの目玉がギョロリと動いている。

頭には天使のような輪と腰には宝珠を埋め込んだバックル。



──その醜悪な見た目と不気味な動きは吐き気すら覚える。



「「ア"ァ"ァ"ァ"…………!」」


「気持ち悪………さっさとやっちゃおうか」


見た目は何処と無く人型を思わせるのだが、幸いこいつらからは思念や感応波といったものは“全く感じない”。


つまりは思念や感情のなどない“ただの怪物”というわけだ。



──人でないのなら容赦などしない。




《ドライバーオン・プリーズ……》


「来て!イージスゼクター!」


私はドライバーオンリングをベルトにかざし、ホープドライバーを起動。

セッテは鳥型のコアユニット……“イージスゼクター”を呼び寄せ、それをキャッチする。



《シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!》


「「変身!!」」


《ソル!プリーズ……

サンサン………サンサン…………!》


《HENSHIN………CHANGE AEGIS》


私は嵌めた変身用のソルリングをホープドライバーにかざし、セッテはイージスゼクターをライダーブレスに装着することで『変身』を遂げる。


私は先ほどと同じホープ・ソルスタイルに。

セッテはというと………


青い鳥のような仮面。
ブレード状の2本の翼が天を目指した雄々しく立っている。
そして夕日に照らされてもなお眩く輝く目を引く白銀のボディ。


これがセッテの仮面ライダー……『イージス』だ。




「さぁ!希望のショータイムよ!」


「……行きます……!」



私たちは変身して、隣に並び立つ。



この世界ではじめての戦い。


これまで私は『救うべき相手』か『倒すべき相手』か。

その判断を自らの“力”と独断だけで行っていたのだと思う。

そして“力”を持ってしても意志疎通できない、理解が及ばないものは排斥する。


悪く言えばこれが私の今までのスタイル。




だからこそこんな軽率なことも出来てしまったのだろうか?





───これが私の最初の“過ち”。



今も忘れられない最初の過ちだ。
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