Episode.8 Re:BUILD

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「ここはどこ………なの?」


あれからどれだけ歩いたのだろうか。


ダンジョン探索用のアイテムもなく、手元にあるのは非常食の干し肉と解体用のナイフ。



………なんでこんなものをもっているかって?



それはね、私の世界『ウェズペリア』には『ギルド』っていうものがあって。


そのギルド…………『希望の翼』に、私は2年ほど前から所属しているの。

そして、そこで危険な猛獣たちの討伐や薬草などの採取の依頼を受けてるってワケ。


だから緊急時やダンジョン探索の為の道具などは常に持ち歩くようにしていたんだけど、今日は親友の『セッテ・クロハラ』とふたりで遊ぶつもりだったからそういった類いの道具はあまり持ち歩いてなかった。


だから今は………こうして苦労してるんだよね…………。



「なんでたいして準備してない時に限ってこんなことになるかな………?」


「文句言ってても仕方ないよ。とりあえず状況を把握しないと………」


「そうだね……………」


本来森などで迷った時は、いつでも出発点に戻れるように、小枝などを落として歩くのが基本だ。

そして、迷った場所が山なら沢に降りるのではなく、尾根を昇り、見晴らしのいい場所に行って現在地を把握する必要がある。



だが、今回は状況が違う。



気がついたらこの森に倒れており、それ以前に何があったかすら覚えていない。



………セッテと待ち合わせして、合流したところまでは覚えているのだけども。




「とりあえず、日が落ちるまでには状況を把握しないとね!」


「うん!」


こういうときに一番大事なことってわかる?



それはね、ポジティブにいること!

パニックになりそうな気持ちを落ち着かせ、頭をクリアにする。

そうすれば生き延びるための術も思い付く。


私はこのポジティブシンキングが一番大事だと思っている。



だから………少しでも楽しまなきゃ。




「ねぇ、ノゾミ………“変身”して飛べばいいんじゃない?」


「……………あ」



…………ね?セッテがいいアイデア思い付いたでしょ?
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