「なにそれ………？」


その紙袋に最初に反応を示したのは食いしん坊のクールビューティー……アルだった。

袋の中から漂う香ばしい香りに頬を緩ませたのだ。



「あぁ………なんかいいにおい。

毅さん、なにこれ？」



「ふっふっふ……よくぞ聞いてくれた！

これはな………季節外れのローストチキンだ！！」


毅さんは袋の中身を勢いよく取り出す。

そこに現れたのは巨大なローストチキン。


季節外れとはいえ、その香ばしいにおいと今にも肉汁が溢れそうなハリのある肉が食欲をそそる。



「「「おぉっ！！」」」


「おぉ…………！」


これには思わずこの場にいた全員が目を輝かせる。

アルに至っては涎を垂らしまくっている。




「人数分あるからな！慌てなくていいぜ！」


「よくわかんねーけどすげぇぜ！今８月なのにどこで手に入れたんだ！？」


「姫矢の街に入るちょっと前に安く手に入ったんだよ」



「へぇー………うまっ！」



俺たちは毅さんから渡された紙袋の中の巨大ローストチキンを頬張る。

やっぱどこで手に入ったかも、なんで手に入ったのかもわかんねーけど。


こうして俺たちは、すごく遅くなってしまったがローストチキンと理緒が作ってくれた料理の数々で晩飯を取るのであった。



こうしてまた、1日が終わる。


ドタバタだけど、楽しい１日だった。





「…………ローストチキンを手に入れた詳しい場所？

それはナイショだぜ☆」


「毅さん？」


「いや、何でもねぇよ☆」