「おなかすいたー………」


「たでーまー……」


カランカランという音と共に輝とアルが入ってくる。

そうそう………輝はあれから割と早く退院出来たんだった。



「「あっ、お帰りー！ふたりとも！」」


ふと店内に入ってきたアルを見てみる。

長い黒髪を二つ結びにしており、肩出しの薄手のトップスにホットパンツ、黒いニーソックスといった感じで、理緒以上に大人っぽさを感じる。



───イメチェンでもしたのだろうけど……結論から言いましょう。

めっちゃ似合ってます。めっちゃ美人です。


腹ペコキャラであまり意識してなかったけど、アルもかなり美人じゃん。


一緒にいると飯代かかりそうだけどな。




だからこそ、だ。納得できねぇ！



「はぁっ！？輝テメェ！しょんべんくせぇガキのくせして何アルとデートしてんだよ！ざっけんなよ！！」


「はっ？ちげーし！何いってんだテメェ！！」


「あーあー、違う違う！そういうのじゃないから！」


「へっ？」


輝と一触即発になりそうなところを理緒がおさめた。



「ふたりは勇騎さんたちのお見舞いに行ってたの！」


「あ、そうだった……」


「…………」


彼女は俺をスルーするとカウンターの隅に座る。


クールなのか、人見知りなのか………表情は無表情だからわからない。

食いしん坊キャラなのは分かるが。



「し、勝利………ここにいる奴ら、みんなライダーなのか？」


毅さんが困惑しきった様子で苦笑する。

無理もないか、いきなり連れてこられてコレだもん。




───連れてきたのは俺だけども。




「うん。みんなライダー。みんな個性強いけど」


「そっか………なら、もっと仲良くならなきゃだな！」


知人が誰一人いないところに連れられて、どうしていいかわからなくて戸惑ってるだと思ってたが……どうやら毅さんに関しては心配はないようだ。



「お近づきのしるしだ！みんな受け取ってくれ！」


毅さんはどこからともなく巨大な紙袋をいくつか取り出しては俺たちに笑顔を見せるのであった。