Episode.7 REUNION

──我ながら無茶なことをやっていると思う。



出口に殺到する人たちを掻き分け、その騒動の中心へと向かっているのだから。


でも………それでも俺がやらなきゃ誰がやるんだ。


────もう、沢山だ。



誰かが殺されるのも、それを黙ってみているのも。





「はーっはっはっは!!」


やがて騒動を起こしていると思われる存在の声が聞こえてくる。




ん?なんか妙にテンション高いな?



なんていうか、その…………

昭和の特撮ヒーローにいそうな悪役というか。




「そこまでっ………だ……………」


そして、とうとう騒動の中心………屋上の休憩場所にたどり着く。


そこで見たものは、アンゲロスとも、来栖さんやアポロンが変身していたエクスキメラとも違う。


蜘蛛をモチーフにした怪人だってのは蜘蛛のような模様が施された全身を見れば分かる。


でもその体は蜘蛛からかけ離れた赤と青のカラーリングであり、また全身タイツに包まれているかのようにスッキリとした見た目なのだ。




…………だ、ダメだ。我慢できない………!




こんな見た目の蜘蛛男を見たら、あの台詞を言わざるを得ない!







「だっ…………ダレヤネーーーーン!!!」





奴に指を差し、俺の口から出た叫び。



もう、我慢出来なかったんだ。



その証拠に声もかなりかすれている。





しかし、目の前の奴は…………

何故かスロープの上に立っているソイツは、俺の言葉に応えるかのように叫んだ。



………しかも、ポーズつきで。







「地獄からの使者ッ!スパイダーマッ!!」








でーでっでー♪ででで♪




………って!やらすなぁぁ!!!



まぁ、俺が自分でやったんだけどさ。
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