Episode.7 REUNION

「やっとついたー!」


『姫矢・ムトーナノカドー』。


姫矢グループが買収した複数の企業が運営していたデパートを合併し、姫矢グループの出資のもと運営されている大型デパート。


この街を中心に既に全国展開されているが、このどこかで聞いたことのある名前は一番最初に買収した企業の運営していたデパートの名前から文字って名付けたらしいが……なんともやり口が悪質である。


まぁ、そんなことはおいといて、だ。



《Camarada Mark Ⅱ.In to be Action》


俺はヒメの尻尾を引っ張り、ヒメをバイクモードにする。



「えー!ヒメはお留守番ですかー!?」


「悪いなー、ペットは店の中に連れていけないから」


「むぅー!ヒメはペットじゃないですぅー!」


「世間一般様からみればペットみたいなもんだろ?」


俺はバイクモードのヒメを盗難防止のチェーンで固定すれば、キティちゃんのマスコットのついたエコバッグを持ち………



「じゃ、ちょっと行ってくるわ」


「えー!」


当然、日陰のある屋根のついた専用のバイク駐車場に止める。

───こういう面でもサービスが充実している点は素晴らしいと思う。


さて、早く買い物済ませなきゃな。



俺はお店の中に入っていく。




「あぁ~、涼しいィィ~…………」


自動ドアが開き、クーラーの冷気が俺を出迎える。

灼熱地獄から一転、俺はオアシスへとたどり着いた。


その涼しさにしばらく身を委ねる。




「さぁーて、まずは食材だな………」


メモを取り出し、食品売り場へ。


……なるほど、食パンと卵とスライスチーズかぁ。

これはまかない用かなぁ?


まぁ、いいや。とりあえず食品売り場へ………




「………その前にっ」


棚と棚の間に掲げられたアーチ状の看板の文字を見てニッと笑う。


ゴメンな、理緒。ヒメ。ちょっと遅くなりそうだわ。

男の子はね、いつになってもこういうのが大好きなの。



そう、『食玩売り場』だ。


俺は子供たちに混じって食玩売り場へ向かうのだった。
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