「……左！」

「あぁ！」

「右！」

「おう！」

「左！」

「あいよ！」


ノエルの言葉に従いハンドルを操作するとまるで後ろに目でもついているかのように攻撃を回避することに成功する。



まるで攻撃を予知しているかのようだ。

いや……これが未来予知の類なら奴らがノエルを求めるのにも納得がいく。





「……もしかしてノエルのこの能力を狙って………」


「くそっ……あんなバイクの足も止められないなんて……えぇい……バットファンガイア！キャンサーゾディアーツ！殺す気でかかれ！」



すっかり頭に血がのぼっている来栖さん。

殺したら元も子もないというのに。

来栖さんはコウモリのような怪人とカニのような怪人にそれぞれ指示を出す。

するとカニ怪人……キャンサーゾディアーツは忍者のような姿の戦闘員を召喚し、コウモリ怪人……バットファンガイアは光の刃を飛ばして攻撃してくる。




「このまま真っ直ぐ」

「え？」

「真っ直ぐ！」

「わかった！」


俺は先回りしてきた忍者型戦闘員の攻撃を回避しつつノエルが指差した方へとバイクを進ませる。