Episode.7 REUNION

「でぇぇたなァァ!
仮面ライダーアァァニマルゥゥ!!」


「チキンの改造人間に再改造されて自分のキャラを見失ったか!バードマン!」


「やかましいわボケェェェェ!!」


チキンマンはその脚力を活かし俺の先手を取るかのように駆け出し蹴りを放つ。


まさか空を飛ぶ鳥の改造人間が飛べない鶏………いや、ローストチキンの改造人間にされるとは。


哀れすぎて何も言えない。



───しかし、あのクリスマスの日。

バードマンと戦った後に食べたローストチキン……うまかったなぁ。




「おっと!」


物思いに耽っている場合じゃない。


俺はチキンマンの蹴りをその逞しい腕で受け止める。



「お前の攻撃なんか効きはしないぞっ!」


奴の脚を掴むとゴリラのごとき腕力に物を言わせ奴の体を投げ飛ばす。



「はっ!」


馬のごとき跳躍力で跳躍し、投げ飛ばしたチキンマンに追い付くと………



「ふんすっ!!」


「グゲェェェ!!」


バッタのごとき脚力で踵落としを放つ。

これにはたまらずチキンマンも情けない声をあげる。


俺は着地すると奴を無視して先に向かおうとするが………



「行かせんぞ!仮面ライダー!」


立ち上がったチキンマンが俺の行く手を阻む。

まるで俺が姫矢の街に行くことそのものを阻むかのように。



「悪いが俺も先を急いでるんだ!どうしてもと言うのなら…………!」


「どうしてもと言うなら?」


「……宇宙の果てまで飛んでいけ!」


俺は早々に決着をつけるべく、バッタや馬のごとき跳躍力をフルに活かし、高く舞い上がる。

その有り余るパワーは周囲の砂粒すら舞い上げるほどだ。


しかも鳥類の身軽さが、この脚の跳躍力を更に引き立て、より強くより高く俺の体を空に飛ばす。



「何をするつもりだ!?」


錯乱したのか、わざわざ次に俺がやることを聞いてくるチキンマン。

無論、俺は律儀に答えてやる。


ただし……その行動をもってして、だ。



「これだよ!

ライダァァァァァ!キィィィィック!!」


空中で一回転。それから右足を突きだし必殺の蹴りを放つ。


シンプルでありながら力強い一撃。


これこそ、仮面ライダーの“伝家の宝刀”。



「やめろ…………またローストチキンになっちまうだろォォォォォ!

ぬぁーーーーーーー!!」


ライダーキックを受け、チキンマンはその言葉を言い残し、爆発四散。


文字通り……再びローストチキンと成り果てた。




「よし………」


チキンマンを倒すと、俺は変身をとき、前を見据える。


そこには『ようこそ姫矢市』と書かれた看板。



「来たぞ………姫矢市」


ついにこの時が来たか………。

再びこの街に踏み入れる時が……!



「待ってろよ…………

“椿 勝利”……………!」


こうして、2022年の真夏。


俺は姫矢の街へと再び入って行くのであった。
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