Episode.6 RAINY

「鬼が相手なら……。

『鬼』を『滅』する鬼『の刃』だ……!」


《SET UP!》


「なんか違うと思う」


アルのツッコミはさておき。
俺はジュエルをひとつ装填し、ドライバーのボタンを押した。



《チェーンジ!仮面ライダー!エグゼイド!》

《時空特急電王!》

《ガッチャーン!レベルアップ!》

《デンデン電王!電車で参上!

時空特急!行くぜクライマックスジャーーンプ!!》


バックルに嵌め込まれたジュエルから放出されるゲート。

ゲートを潜り抜けた瞬間、リベルライザーの姿は新たな姿へと変貌する。

エグゼイドの派生形態なだけあり、スポーツ選手のようなシンプルなインナースーツはそのままに、配色だけが黒地に銀色のラインへと変化した。

頭部は赤い桃のような形の仮面をエグゼイドの頭部フレームにそのまま捩じ込んだような形の仮面。

両肩のアーマーは赤く染まり、胸部へ仮面ライダー電王の胸部をそのままモニターに映し出したような造形となった。

背部には力を宿したライダーである仮面ライダー電王の仮面を模したパーツがそのまま装着されている。


本来のエグゼイドの世界では日の目をみることはなかった幻の姿。

俺たちの世界で初めて日の目を見たエグゼイドの派生形態。


『エグゼイド・電王ゲーマーレベル2』。

俺はドライブ以降の平成ライダーの力は継承したが、それ以前の平成ライダーからは力を直接継承されることはなかった。

しかし、俺はこのレジェンドライダーガシャットという形で間接的にだが
鎧武を始めとするそれより以前の平成ライダーたちの力を継承したのだ。



「最初からクライマックスで反撃開始だ……!」

「ゴメン、意味分かんない」

「ノリのいい方が勝つんだよ……アタタ………!行くぞ!」


これだけ軽口を叩いてきたが、正直無視できないほどにダメージは大きい。

だからこそ、短期決戦という訳だ。


ベルトのボタンを押すと俺の右手には電車の玩具をそのまま武器に落としこんだような刀剣型武器が握られる。


『デンガッシャー・ソードモード』。


電王が愛用していた武装であったが、どうやらこの姿になってもそれは変わらないようである。



「くたばってりゃいいものを……」


「行くぜ……

電車の呼吸……壱の型!

俺の必殺技パート1!」


「………だから、なんか違っ……もういい」


アルが呆れる中、俺は駆け出していくと奴にその刀身を振るった。
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