Episode.6 RAINY

「………っ!」

高速移動しながらのヴァルツクローによる連続攻撃。
流石の通りすがりの仮面ライダーもなす術もなく攻撃を受け続けるしかないようだ。

切り裂かれた装甲から火花が飛び散り、その度に奴の体が仰け反る。

だが………なんなのだろうか、この“違和感”は。

こちらが圧しているはずなのに。


「これで決めてやる!!」

迷っていても仕方ない。
一気に圧倒し倒す、それだけだ。

俺は更に加速し、ヴァルツクローで斬りかかる。

しかし………!



「……はっ!」

「なっ……!あぁぁぁっ!!」

ヴァルツクローによる斬撃が空振りしたと思ったら、胸部に激痛が走り吹っ飛ばされる。

まさか……コイツ、俺の攻撃を見切って反撃してきたっていうのか………!?


「……そんな………!」

しかもよく見てみれば奴の装甲は無傷。
どうやら俺は奴を攻撃出来ていたわけではなく、今まで刀で攻撃を防がれていたようだ。


「残念だが……俺には及ばない」

《FINAL ATTACK RIDE 》

刃こぼれした刀を投げ捨てると、奴は腰のホルダーからカードを取り出して装填。

サイドハンドルを閉じる。


《ZE・ZE・ZE・ZE ・ZERO-ONE!!》

サイドハンドルを閉じた瞬間、右足にエネルギーが蓄積され、バッタの脚の形をしたオーラが右足に纏われる。

まずい……強力な攻撃がくる!


「やべぇ……!!」

《エクスライザーバースト!》

立ち上がって回避しないと。
しかし、眼前まで迫ったキックを避けるすべなどない。

俺は慌ててカプセルを読み込ませ、エネルギーを右足にチャージ。


「はーーーーーーーっ!!」

「ぐっ……!だぁぁっ!」

奴の右足から放たれる強烈な一撃。
こちらには体制を立て直す隙すらない。

俺は地面に横たわったまま蹴りを放つ。

少なからず奴の攻撃の威力を減らすことは出来るはずだ。

俺たちの蹴りがぶつかり合い迸る閃光が、曇天により薄暗くなった埠頭を照らした。
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