Episode.6 RAINY
星葉埠頭のコンテナターミナルの巨大コンテナの間をくぐり抜けながら、件のフレートステーションを目指す。
ちなみにコンテナフレートステーション……CFSとは簡単にいえばコンテナに荷物を詰めたり、逆にコンテナから荷物を取り出す施設のことで、大体は高床式の広い倉庫となっている。
確かに使われていない広い倉庫なら、たまり場としてはうってつけかもしれない。
でもまたなんでこんなメンドクサイところに………。
ただでさえ広いコンテナターミナルなのに、荷役作業員が働いているため荷役作業員に見つからないように隠れながらの移動になるため実際の距離以上に長く感じてしまう。
「……」
それにしても理緒の話が引っ掛かって仕方ない。
確かに大切な人を失くすことは辛い。
俺だって同じだ。
でも、なんだろう……。
本当に理緒はそれでいいのだろうか。
その親友……巴ちゃんって子は理緒のことをあんなにも思っているのに……。
でも“それ”を理緒にどう伝えていいのかが分からない。
俺もそこまで人生経験が豊富って訳じゃないから。
間違っても“誰かを導く”なんて立場の人間ではないから。
「………おーい、ふたりともー。
ちょっと思うことあるんだけどさー……
てかちゃんと着いてきてるか……ってあれ?」
──いっけね。
考え事してたらふたりのこと忘れてた。
なんか勇騎さんに気圧されて案内してたけどさ。
そもそもあのヤンチャ共が集まるのって夜中なんじゃねーの?
こんな真っ昼間に集まってねぇだろ絶対。
もしかして夜中まで張り込みでもすんのか?
俺はふたりがしっかり着いてきているか確認するのも兼ねて振り返る。
しかし、そこにはふたりの姿はなかった。
どうやらはぐれてしまったらしい。
「マジか……!嘘だろ……!!」
最悪だ。
案内するといって、この街のことを何も知れないふたりを置き去りにしてしまった。
俺は慌てて元来た道を戻る。
………流石にひとりで夜中まで張り込みとか絶対嫌だもんな。
それにしても、本当にどこにあのふたりを置いてきてしまったのだろうか。
もしかしたらクレーンで新しく降ろしたコンテナの下敷きになってしまったとか?
………流石にそんなことはないにしても、だ。
とりあえずふたりに合流しないと。
そうしてコンテナとコンテナの間に出来た通路を走っていると……何物かの気配を感じた。
「……ッ!!」
突如として斬りかかってくるナニカ。
俺はそれを飛び退いて回避すると、エクスライザーを構える。
「誰だ!!」
もしかしていきなりそのバンディットアローの連中の襲撃か……?
そうなれば話は早い。
でもコイツはなんか違うような気がする。
──目の前にいるのは見たこともない仮面ライダーだ。
黒いスーツに蛍光イエローのアーマー。
バッタを模した仮面と赤い複眼が特徴的だが、ヴァルツよりもよりスタイリッシュで近未来的な見た目をしている。
だが、そんな洗練されたデザインの中でも特に異質……否、ミスマッチなのはベルトだ。
カメラを模したシンプルな形をしており、アーマーの蛍光イエローとは異なりマゼンタカラーのバックルとなっており、まるでこのベルトのみが後づけのものなのではないかと邪推してしまうほどには浮いている。
ひとつだけ分かるのは……目の前のライダーがかなりの力量の持ち主であること。
その立ち振舞いだけで、ただならぬ威圧感を感じてしまう。
そして構えてばかりで動かない俺に向かって奴は告げるのであった………
「通りすがりの仮面ライダーだ………!」
ちなみにコンテナフレートステーション……CFSとは簡単にいえばコンテナに荷物を詰めたり、逆にコンテナから荷物を取り出す施設のことで、大体は高床式の広い倉庫となっている。
確かに使われていない広い倉庫なら、たまり場としてはうってつけかもしれない。
でもまたなんでこんなメンドクサイところに………。
ただでさえ広いコンテナターミナルなのに、荷役作業員が働いているため荷役作業員に見つからないように隠れながらの移動になるため実際の距離以上に長く感じてしまう。
「……」
それにしても理緒の話が引っ掛かって仕方ない。
確かに大切な人を失くすことは辛い。
俺だって同じだ。
でも、なんだろう……。
本当に理緒はそれでいいのだろうか。
その親友……巴ちゃんって子は理緒のことをあんなにも思っているのに……。
でも“それ”を理緒にどう伝えていいのかが分からない。
俺もそこまで人生経験が豊富って訳じゃないから。
間違っても“誰かを導く”なんて立場の人間ではないから。
「………おーい、ふたりともー。
ちょっと思うことあるんだけどさー……
てかちゃんと着いてきてるか……ってあれ?」
──いっけね。
考え事してたらふたりのこと忘れてた。
なんか勇騎さんに気圧されて案内してたけどさ。
そもそもあのヤンチャ共が集まるのって夜中なんじゃねーの?
こんな真っ昼間に集まってねぇだろ絶対。
もしかして夜中まで張り込みでもすんのか?
俺はふたりがしっかり着いてきているか確認するのも兼ねて振り返る。
しかし、そこにはふたりの姿はなかった。
どうやらはぐれてしまったらしい。
「マジか……!嘘だろ……!!」
最悪だ。
案内するといって、この街のことを何も知れないふたりを置き去りにしてしまった。
俺は慌てて元来た道を戻る。
………流石にひとりで夜中まで張り込みとか絶対嫌だもんな。
それにしても、本当にどこにあのふたりを置いてきてしまったのだろうか。
もしかしたらクレーンで新しく降ろしたコンテナの下敷きになってしまったとか?
………流石にそんなことはないにしても、だ。
とりあえずふたりに合流しないと。
そうしてコンテナとコンテナの間に出来た通路を走っていると……何物かの気配を感じた。
「……ッ!!」
突如として斬りかかってくるナニカ。
俺はそれを飛び退いて回避すると、エクスライザーを構える。
「誰だ!!」
もしかしていきなりそのバンディットアローの連中の襲撃か……?
そうなれば話は早い。
でもコイツはなんか違うような気がする。
──目の前にいるのは見たこともない仮面ライダーだ。
黒いスーツに蛍光イエローのアーマー。
バッタを模した仮面と赤い複眼が特徴的だが、ヴァルツよりもよりスタイリッシュで近未来的な見た目をしている。
だが、そんな洗練されたデザインの中でも特に異質……否、ミスマッチなのはベルトだ。
カメラを模したシンプルな形をしており、アーマーの蛍光イエローとは異なりマゼンタカラーのバックルとなっており、まるでこのベルトのみが後づけのものなのではないかと邪推してしまうほどには浮いている。
ひとつだけ分かるのは……目の前のライダーがかなりの力量の持ち主であること。
その立ち振舞いだけで、ただならぬ威圧感を感じてしまう。
そして構えてばかりで動かない俺に向かって奴は告げるのであった………
「通りすがりの仮面ライダーだ………!」