「フゥ………」


無事に2体のスパイダーアンゲロスを倒すと変身を解除する。



「急がなきゃ………ん？」


さっきまで気付かなかったが、誰かの声が聞こえる。

しかもそう遠くない。


もしかしたら例の彼女かも。




「……行ってみますか」


もちろんアンゲロスという可能性もある。

ここは慎重にいこう。

いつでも変身出来るようにベルトをつけたまま声が聞こえてくる方へと向かう。



「この部屋からだ……」


声が聞こえてくる部屋の前に立つ。

すると今まで聞こえていた声が歌声だというのがわかった。

それにしてもいい声だ。

なんというかずっと聴いていたい。

でも歌声を聴いている時間はない……か。




「………」


意を決して扉を開き、中にいる人物とご対面する。

透き通るように白い肌。
大きく丸い目。
ぱつんと揃えられた前髪に腰まで伸びた後ろ髪を首のあたりで纏めている。

間違いない………あの写真の少女、ノエル・ロックディールだ。

窓から入る月光を背にした姿はなんとも美しく、俺は思わず見とれてしまった。