Episode.6 RAINY

「やっぱりか……」

来栖さん本人か、来栖さんのバックにいる何者かの仕業か……。
確かに他の世界に怪人の力をカプセルに保管できるテクノロジーがあるくらいだから、他の世界の組織のテクノロジーを使うことも出来るわな。


「その大元の尻尾はまだ掴めてないが、そのバラまかれたベルトを使って犯罪を行ってる不良グループがいる。

そいつらは自分らの事を『バンディットアロー』なんて名乗ってる……。

勝利。お前そういう情報に詳しいだろ?
チームバルチャーなんてやってるくらいだしな」

「あー……ソイツらねぇ」

なるほど。

若者の不良グループがベルト使って犯罪をやってるから、チームバルチャーの俺に協力を仰ぎたいって訳ね。

俺らチームバルチャーもああいう感じだから不良グループと同じような扱いされるし、なんならたまによくわからん不良グループに絡まれることだってある。

まぁ、そのときは俺や孟のふたりで半ごr……返り討ちにしてやってるんだけどな。


「知ってる。バンディットアローってここ最近、勢力を拡大してるチームだよ。
まぁただの走り屋で、こんな犯罪するような奴らじゃねぇと思ってたんだけど……」

まぁ、俺らは不良グループと同じ扱いされてるとは言え不良グループでもないし、そういう不良グループの抗争とかそういうのには無関係だと思ってたから、知ってると言っても知識はそこまでない訳で。

だからバンディットアローは去年流行ったマンガに影響されて暴走族やりはじめた奴らでどんどん勢力を伸ばしてる……って程度の浅い知識しかねぇのよ。


「……ただソイツらの根城は知ってるよ。
星葉区の埠頭にあるフレートステーション。
アイツらよくそこで集まってんだよ
俺が知ってることはそのくらい」

「そうか。
わりぃ、助かった!それじゃ早速乗り込むぞ!」

「待てや」

「……」

俺が知ってることを話した後、勇騎さんは席を立とうとするが、俺とアルはそんな勇騎さんを引き留める。


「あ?なんだよ?」

「情報料寄越せ。俺にも飯奢れ」

「ご飯足りない」

「………~~~~っ!!

あーもう!ちくしょーーーーーー!!」


……こうして今月、勇騎さんは金欠となったのであった。
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