Episode.6 RAINY

「………誰だこりゃ?」


「……『呼道勇騎』と『赤津将』。
ふたりとも仮面ライダーだ……それも最強クラスのな」


この数年でこの世界に迷い混んできた仮面ライダーと名乗る存在はそれこそ腐るほどいた。

しかしその大半は、これまで世界を救ってきた伝説の仮面ライダーたちには遠く及ばない有象無象の雑魚共ばかりだった。

その中には、違う姿であるにも関わらず名前が他のライダーと被っているものがいたり、まるで子供が考えた『最強の仮面ライダー』をそのまま形にしたようなものもいたりしたが……。
仮面ライダーの質が落ちたことを否応なしに突きつけられたような気分だったが、そんな奴らも全員跡形もなく消滅した。
俺たちが直々に処刑した。


……だが奴らは違う。


まずは呼道勇騎。
奴とは実は以前に戦ったことがあり、俺が直々に叩きのめしたのだが、その後自分と同じようにこの世界に迷い混んだライダーたちを纏めあげ、今では俺たちの対抗馬になり得る存在となった。


そして赤津将は、俺と同じように複数の仮面ライダーを融合させ己の力とする力を持っており、その実力は呼道勇騎に迫るほどだ。

あらゆる世界が融合し、この世界にあらゆるライダーが迷い混んできた以上、俺たちに迫る存在が現れるのは俺も予期していた。
今はまだ取るに足らぬ存在だが、警戒はして損はない。

摘めるうちに芽を摘んでおくべきであろう。



「最強クラス……ねェ。ハハッ……面白れェ。
まさかアンタがそこまで言うとはな、旦那ァ………」


俺の意図を知ってか知らずか、アポロンは笑い飛ばすと立ち上がる。

どうやら早速戦場に出向くつもりだろう。
まぁ、俺は構いはしないが。



「そんじゃ行くとしますかァ……!」

首を2、3回鳴らすとアポロンは銀色のオーロラを召喚した。

銀色のオーロラ……『オーロラカーテン』は潜り抜けることで任意の場所へと移動することが出来るのだ。

そして、アポロンはエクスライザー片手にオーロラカーテンの向こう側へと消えていったのだ。



「………まっ、せいぜいうまくやれや」


……そういえばアイツ、方向音痴だったような気がしたが……まぁいいだろ。

アイツの実力なら他のライダーに襲撃されても死にはしない。



俺はコーヒーを啜り、一言。



「うむ……このブレンドもあたりだな」
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