Episode.6 RAINY
──JINIA SIDE──
「………ようやく目が覚めたか?」
ここは俺たちのアジト。
いや……『姫矢グループ本社ビル』と言えばいいだろうか。
かつて、この街の住人を実験体にしてアンゲロス、ならびにヴァイトップの研究をしていた連中が使っていたものだ。
しかし、今は俺たちがこうして使わせて貰っている。
…………“敗者に居場所はない”からな。
俺は自分専用となったデスクでコーヒーを啜りつつ、目の前の男を見やる。
男は無造作に伸びた髪を掻きながら、気だるげにソファに座っている。
俺の部下にして、かつて血の聖誕祭で『姫矢市の仮面ライダー』となった英雄たちと戦った男。
そして……この世界最強のアンゲロスの一体。
男の名は『アポロン』。
我らがRe:BUILD、その最古参のメンバーのひとりだ。
「……あぁ、お陰さまでなァ。
で、旦那ァ……“アイツ”の他に骨のある奴はいねぇのか?」
「まぁ、慌てんなよ……。
血の聖誕祭以来体がなまってるだろうから、まずはその凝り固まった体をほぐさねぇとな……」
アポロンは血の聖誕祭の際にあるライダーと一騎討ちを果たし、相討ちという形で負傷し、しばらく戦線を離れていた。
しかしRe:BUILDの科学力により完全に傷も完治し、再び戦線に舞い戻ってきた。
組織の科学力が無ければ既に無い命だったろうがな。
「ホレ。復帰祝いだ」
「……なんだこりゃ?アンタのライダーシステムに似てるな」
俺は量産したエクスライザーとカプセルをアポロンに投げ渡す。
「……お前が休んでる間に完成したエクスライザーと怪人カプセルだ。
破壊されたライダーシステムの代わりと思えばいい」
「へぇ……壊されたライダーシステムの代わり、ねぇ」
アポロンが受け取ったエクスライザーとカプセルをそれぞれ懐にしまうと薄ら笑いを浮かべ
「それで……“アイツ”はどこだ?
この体の礼をしなくちゃなァ……!」
「奴はもういない」
「は?……んだよ……アイツ死んじまったのかァ?」
「てめぇが倒したようなもんだ。
……それよりもっと骨のある奴と戦いたくねぇか?」
何よりも戦いに、強き力に飢え、自らアンゲロスとなった男。
そしてヴァイトップに宿っていた意識を“塗りつぶし”アンゲロスの力を完全に自らのものとした男、アポロン。
確かに組織の問題児ではあるが、こうして計画が次のフェーズへと移り、並行世界からやって来たライダーたちが増えている今になってはこんなに扱いやすい奴もいない。
俺は二枚の写真をアポロンに手渡した。
そこに映っているのは呼道勇騎と赤津将のふたりであった。
「………ようやく目が覚めたか?」
ここは俺たちのアジト。
いや……『姫矢グループ本社ビル』と言えばいいだろうか。
かつて、この街の住人を実験体にしてアンゲロス、ならびにヴァイトップの研究をしていた連中が使っていたものだ。
しかし、今は俺たちがこうして使わせて貰っている。
…………“敗者に居場所はない”からな。
俺は自分専用となったデスクでコーヒーを啜りつつ、目の前の男を見やる。
男は無造作に伸びた髪を掻きながら、気だるげにソファに座っている。
俺の部下にして、かつて血の聖誕祭で『姫矢市の仮面ライダー』となった英雄たちと戦った男。
そして……この世界最強のアンゲロスの一体。
男の名は『アポロン』。
我らがRe:BUILD、その最古参のメンバーのひとりだ。
「……あぁ、お陰さまでなァ。
で、旦那ァ……“アイツ”の他に骨のある奴はいねぇのか?」
「まぁ、慌てんなよ……。
血の聖誕祭以来体がなまってるだろうから、まずはその凝り固まった体をほぐさねぇとな……」
アポロンは血の聖誕祭の際にあるライダーと一騎討ちを果たし、相討ちという形で負傷し、しばらく戦線を離れていた。
しかしRe:BUILDの科学力により完全に傷も完治し、再び戦線に舞い戻ってきた。
組織の科学力が無ければ既に無い命だったろうがな。
「ホレ。復帰祝いだ」
「……なんだこりゃ?アンタのライダーシステムに似てるな」
俺は量産したエクスライザーとカプセルをアポロンに投げ渡す。
「……お前が休んでる間に完成したエクスライザーと怪人カプセルだ。
破壊されたライダーシステムの代わりと思えばいい」
「へぇ……壊されたライダーシステムの代わり、ねぇ」
アポロンが受け取ったエクスライザーとカプセルをそれぞれ懐にしまうと薄ら笑いを浮かべ
「それで……“アイツ”はどこだ?
この体の礼をしなくちゃなァ……!」
「奴はもういない」
「は?……んだよ……アイツ死んじまったのかァ?」
「てめぇが倒したようなもんだ。
……それよりもっと骨のある奴と戦いたくねぇか?」
何よりも戦いに、強き力に飢え、自らアンゲロスとなった男。
そしてヴァイトップに宿っていた意識を“塗りつぶし”アンゲロスの力を完全に自らのものとした男、アポロン。
確かに組織の問題児ではあるが、こうして計画が次のフェーズへと移り、並行世界からやって来たライダーたちが増えている今になってはこんなに扱いやすい奴もいない。
俺は二枚の写真をアポロンに手渡した。
そこに映っているのは呼道勇騎と赤津将のふたりであった。