Episode.6 RAINY
──あれはまだボクが元の世界にいた頃……この世界にやってくる少し前の話だ。
ボクたちの世界では、生徒会に所属する生徒たちが『魔人』なる怪物を操り、ボクの通う高校を裏から操っていた。
そして、ボクは仮面ライダーローズとして魔人たちと戦い学園の平和を護ってきたのだ。
誰にも知られることのない、報われぬ戦いだった。
どれだけ傷ついても笑顔の仮面を被り、その刃を振るう。
それができたのも、ボクのそばに大切な親友がいたからなんだ。
親友の名は『美代 巴(みしろ ともえ)』。
巴ちゃんとは小さな頃からずっと仲のよかった。
コーヒーの淹れ方も巴ちゃんが教えてくれた。
でも、その巴ちゃんは……もういない。
魔人と、魔人を裏で操る存在を探るために奴らに近づきすぎた。そして……!
────
『巴ちゃんッ!巴ちゃん!!なんで………なんで!!』
『……理緒……私の代わりに……貴女は…………!』
───
………あの日も雨だった。
赤く染まったアスファルトを洗い流すように、激しい雨が打ち付けていたのを覚えている。
雨粒が巴ちゃんの体温を奪っていき、巴ちゃんの体が冷たくなっていったのも。
それからだ。
ボクが戦う理由を失くしたのは。
だからボクはこっちに来てから殆ど前線に出なくなった。
それこそこの間ノエルちゃんを助けに行った時に久しぶりに変身したくらいだ。
だから正直、他の仲間のようにもうボクには自分の世界に戻る理由すらない。
自分の世界での戦いを投げ出して、偶然この世界にやってきたことをいいことに、ずっとこの喫茶店を仲間と共に切り盛りしている。
ボクは……自分の世界すら捨て、喫茶店の営業に逃げたのだ。
「はぁ…………」
……ため息をついてもどうしようもないというのは分かっている。
でも……たまに本当にこれでいいのか分からなくなってしまう。
ボクは何がしたいのだろう。
なんでここにいるんだろう。
そうやって悩むことにすら、最近疲れてきたような気がする。
「……どーしたよ理緒?ため息なんて珍しい」
するとボクに話しかけてくる男がひとり。
そう、最近ここにやってくるようになった常連さん……といえばいいのだろうか。
ボクはいつものように笑顔を作ってお出迎えをした。
「いらっしゃい、勝利くん!」
ボクたちの世界では、生徒会に所属する生徒たちが『魔人』なる怪物を操り、ボクの通う高校を裏から操っていた。
そして、ボクは仮面ライダーローズとして魔人たちと戦い学園の平和を護ってきたのだ。
誰にも知られることのない、報われぬ戦いだった。
どれだけ傷ついても笑顔の仮面を被り、その刃を振るう。
それができたのも、ボクのそばに大切な親友がいたからなんだ。
親友の名は『美代 巴(みしろ ともえ)』。
巴ちゃんとは小さな頃からずっと仲のよかった。
コーヒーの淹れ方も巴ちゃんが教えてくれた。
でも、その巴ちゃんは……もういない。
魔人と、魔人を裏で操る存在を探るために奴らに近づきすぎた。そして……!
────
『巴ちゃんッ!巴ちゃん!!なんで………なんで!!』
『……理緒……私の代わりに……貴女は…………!』
───
………あの日も雨だった。
赤く染まったアスファルトを洗い流すように、激しい雨が打ち付けていたのを覚えている。
雨粒が巴ちゃんの体温を奪っていき、巴ちゃんの体が冷たくなっていったのも。
それからだ。
ボクが戦う理由を失くしたのは。
だからボクはこっちに来てから殆ど前線に出なくなった。
それこそこの間ノエルちゃんを助けに行った時に久しぶりに変身したくらいだ。
だから正直、他の仲間のようにもうボクには自分の世界に戻る理由すらない。
自分の世界での戦いを投げ出して、偶然この世界にやってきたことをいいことに、ずっとこの喫茶店を仲間と共に切り盛りしている。
ボクは……自分の世界すら捨て、喫茶店の営業に逃げたのだ。
「はぁ…………」
……ため息をついてもどうしようもないというのは分かっている。
でも……たまに本当にこれでいいのか分からなくなってしまう。
ボクは何がしたいのだろう。
なんでここにいるんだろう。
そうやって悩むことにすら、最近疲れてきたような気がする。
「……どーしたよ理緒?ため息なんて珍しい」
するとボクに話しかけてくる男がひとり。
そう、最近ここにやってくるようになった常連さん……といえばいいのだろうか。
ボクはいつものように笑顔を作ってお出迎えをした。
「いらっしゃい、勝利くん!」