「まずは一体撃破、っと」


ビームグレイブを収納し、代わりに二本のビームナイフを取り出し駆け出す。

俺にはやっぱこっちの方が性に合ってる。



「うおぉぉぉぉぉぉ！！」


素早い動きでスパイダーアンゲロスを翻弄しつつ、ビームナイフによる一撃を加えていく。

スパイダーアンゲロスはデタラメに蜘蛛の糸を飛ばしてくるがそんなものはもう当たらない。



「はぁっ！」


正面から飛んできた蜘蛛の糸を斬り伏せ、スパイダーアンゲロスの体を十字に切り裂く。



「ぎっ………ギギィィィィィィィィ………」


ビームナイフによって切り裂かれた箇所が化膿し焼け爛れたように溶け始める。

このまま放っておいてもこいつは命を落とすだろう。

だが、このまま放っておくなんて選択肢は俺にはない。


ここで一気にカタをつけてやる！



《IGNITION！OVER-DRIVE！》


再びバックルを操作してエネルギーチャージ。

今度は右足に全エネルギーを集中させる。




「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！」


駆け出すとスライディングし相手の腹部に蹴りを叩き込む。




「ギギィィィィィィィィ！！！」


眼前を覆う一瞬の閃光の後、視界が開ける。
スパイダーアンゲロスの立っていたところには紅蓮の炎だけが静かにちらついていた。