Episode.5 DUAL FUSION

「ーーーーーーー!!!」


リザードマンアークアンゲロスはけたたましい叫び声と共にリヒトシュトロームのエネルギー弾を、まるでサッカーボールのように蹴り飛ばす。


リヒトシュトロームは人体に吸収されることで血液中のヘモグロビンと結び付き急激に膨張し破裂する。


つまり、ライダーであろうがその身に赤い血潮が流れる者であれば確実に決定打になるが、血の通わない機械人形であろうと………この威力のエネルギー弾を喰らえば無事では済まないだろう。


………だが、それは普通のライダーがアークアンゲロスと闘う時の話。




「……はぁっ!!」


俺は朱雀槍・アインランスでエネルギー弾を弾き返す。



「「「ーーーー!!」」」


弾き返されたエネルギー弾は他のアンゲロスたちに命中し破裂。

背後のアンゲロスたちを巻き込み爆ぜる。



「オノレェェェェェ!!」


仲間を巻き込まれ怒るリザードマンアークアンゲロス。

奴は逞しく雄々しい尾を鞭のように振るう。


当たれば確実に体力を持っていかれる一撃。

だが、俺には効きはしない。



「!?」


「全く………怪獣じゃねぇか。コレじゃ」


《リベル!バースト!》


バチッ!という音と共に奴の体に稲妻が走ったかと思うと、奴の体は痙攣し、奴は動きを止めてしまう。


これは………と思っているとヘッドバイザー越しに情報が映し出される。

どうやら、相手のエネルギーのアンチエネルギーを打ち込むことで相手の動きを阻害する効果があるらしい。


なるほど。今回は奴のリヒトシュトロームの反物質を生成し、それを奴の体に叩き込んだのか。



「なるほどな………まだまだ行くぜ!」


《リベル!バースト!》

《アクティブ!ビルド!ラビットラビット!》


解放される力。

今度はウサギを模した紅のスピーディージャンパー『ビルド・ラビットラビットフォーム』。


その幻影が俺の体に折り重なると同時に地面を蹴ると、一瞬にして奴との距離が縮まる。

ライダーの力によって各身体能力が上昇していてもコマ飛ばしかのように映るほど。


俺はその強力な脚力を持ってして全力の飛び膝蹴りを叩き込み、リザードマンアークアンゲロスを蹴り飛ばす。



「まだまだァァ!!」


蹴り飛ばしたリザードマンアークアンゲロスに今度は右腕を伸ばし、朱雀槍・アインランスを鈍器のように叩きつけ、奴の体を地面に叩きつける。


圧倒的な力。

それこそ過剰すぎるほどに、だ。


アークアンゲロスが本当に上位種かと疑問に思ってしまうほどの圧倒的スペック。



このエクスライザーとやらを作った人間は一体何と戦うためにこんな過剰なほどに強力なものを作ったのだろうか?
33/35ページ
スキ