Episode.5 DUAL FUSION

───CROSS SIDE───


あの小僧………椿とかいったか。

無事に洋館にたどり着ければいいんだが……などと言うが、俺もあまり人を心配する余裕はない。


「こいつっ!」

折れた槍を捨てると俺に殴りかかってくるお嬢ちゃん。


俺はそれを片手で受け止める。



「やめとけ………俺もお前みたいな子供を手にはかけたくねぇんだ」


「うるさい!!」


お嬢ちゃん………いや、今はクイーンワスプアンゲロスというべきか。


見た目は蜂のコスプレした子供のそれだが、力は怪物……アンゲロスそのもの。

少しでも力を抜けば吹っ飛ばされる可能性だってある。



「とりあえず……頭、冷やしな」


直後、掌(しょう)を放ち、クイーンワスプアンゲロスを突き飛ばす。

それにしても罪悪感が半端ない。


見た目が人間の女の子にしか見えないのがな………

今はそんなこと言ってはいられねぇが、どうしても……な。



「アマゾンオメガさん!」


《仮面ライダーアマゾンオメガ!》


俺は次のライダーアンプルを取り出し、それを起動させていく。



「オーズさん!」


《仮面ライダーオーズ!》


「荒ぶる力、お借りします!変身!!」


《クロスライド!バイオレントドゥーム!》


そして、ふたりの先輩ライダーたちの力を解放すれば、俺の体は緑の炎に包まれ、衝撃波が発生する。



「うっ!!」


あまりの衝撃波に身じろぐクイーンワスプアンゲロス。


そして炎を振り払えば俺の姿は………


つり上がった複眼。
緑と黒のインナー。
紫の恐竜を思わせる装甲。
そして全身のまだら模様。


ふたりの先輩ライダー方のお姿を模したものとなった。



これが『クロス・バイオレントドゥーム』。


“アマゾンオメガ”さんと“オーズ”さん、
そのふたりの荒ぶる力をお借りした姿だ。
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