「全く………人使いの荒い………」


そういうとまずはローズ……理緒が動き出した。


《Rose Shooter》


薔薇の指輪に手をかざしローズが召喚したのは上端に薔薇のつぼみを模した飾りのついた弓。


そして弦を思いっきり引くと、薔薇のつぼみが開花し、光が薔薇の花に収束。

それと同時に光の矢が形成されていく。



「ローズアロー………発射！！」


そして弦から手を放すことで、光の矢は上空に放たれる。


放たれた光の矢は弾け、無数の矢として降り注ぎ………



「「「「ぐわぁぁぁぁ！！」」」」


無数のアンゲロスたちを貫いた。


────しかし、それだけでは終わらない。



「………ごめんね。キミたちの力貰うよ」


その言葉と共に、アンゲロスたちを貫いた光の矢はつぼみのついた薔薇の蔦へと変化。


まるで蛇の如くアンゲロスたちを締め上げ、その体に棘を食い込ませる。



「「「あ………あぁぁ…………」」」


締め上げられていったアンゲロスたちはみるみるうちにミイラのように体が干からびていく。


おそらく、奴らの生命力を養分にしているんだ。



やがてアンゲロスたちから養分を吸い付くしたのか、薔薇の蔦は開花した薔薇の花だけを残して朽ちていく。



「さて………と」


突風が吹くと地に落ちた薔薇の花がローズの手元に集まり、ローズの体に吸収されると再びローズはサーベルを振るい、アンゲロスたちを蹴散らしていく。


薔薇の花弁が舞い落ちる中、その剣を振るうその姿はまさに美しき“女騎士”。



ローズのそんな姿を見届けると俺は洋館は突入するのであった。