「……………」


暫しの沈黙。

勇騎さん、将さん、輝、アルの……４人の視線は俺を捉えたまま離さない。

特に輝は俺の本音を待っているかのように俺から視線を外さない。


──最悪だ。

言葉にするのは止めようって思ってたのに。

言葉にするだけで薄っぺらいものになりそうだから、ずっと………いや、そういうのじゃないよな。

本当は認めたくなんてなかったのかも。

そういう感情が自分にも芽生えたってことを。




「…………あーーーー！！もううざったい！！

好きなんだよ！ノエルの事が！！」


長い沈黙に耐えきれなくなった俺はついに本音をぶちまけてしまった。


その瞬間、４人は互いの顔を見合う。




「「「「えー………そこまでストレートに言う………？」」」」


「だっ、黙れ！好きになったもんは仕方ないだろ！！」

なんか顔が熱くなってるのがわかる。
数回深呼吸をして、呼吸を整える。

そして少し呼吸が落ち着いた頃に言葉を紡ぐ。


「………血の聖誕祭のあの時から俺は戦いだけに生きてきた。

でもあの子と出会って、俺は少しだけ昔の俺に戻れた気がしたんだ。

もっとあの子と話がしたい。もっとあの子と仲良くなりたい。

だからあの子を失いたくない………それだけだ！」



我ながらなんて独りよがりで自己中心的な考えだろうか。

言っていて恥ずかしくなった。

でもこれが本音であり、今の俺を突き動かすものだ。


顔が熱くなる感覚を味わいながらも４人から視線は外さない。



「お前はそれでいいんだよ」


「え………？」


最初に口を開いたのは輝だった。


「うん、いいじゃん」


「まっ、戦う理由なんて人それぞれだしな………」


「そうだな………お前の本音が聞けて良かったよ」


将さんや勇騎さんもようやく笑顔を見せてくれた。

アルは相変わらず無表情のままだけど。


でも……これで俺が仮面ライダーとして認められたとは思わない。

それでも俺の想いはどうやら伝わったようだ。


それに、俺もなんかスッキリした気がする。