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「………起きて」


「………んっ」


「勝利～、生きてっか～～？」


顔面にかかる冷たいナニカ。
それから俺を呼ぶ声。

それで俺の意識は覚醒する。


目を覚ますとそこには輝と勇騎さん、変身を解いた将さんと……あと１人は……誰だ？

黒髪ロングのクールビューティーなお姉さん。

お姉さんの手には水の入ったペットボトルが。


どうやらこのお姉さんがこの水を俺の顔面にかけたらしい。



「………誰？」

「あぁ、コイツはアル。俺たちの仲間だよ」

「あぁ、そう。じゃあライダーなんだ…………よろしく」

「よろしく」

勇騎さんに紹介されると、軽く会釈。

アルも一言だけ返事をする。

うーむ……話が弾まなさそうだ。
などと思いつつ、俺は痛む体に鞭をうち上体を起こす。


あぁ、俺は負けたんだな……。


体に走る痛みが敗北が現実のものだったのだと証明してくれているような気がした。



「それにしてもひでぇ負け方したみてぇだな」


「………そうだな………俺は将さんに負けて

………くそっ！！」


……輝の言葉に、先程の戦いを思い出す。
本当に惨めな負け方だった。

なんか、思いだしただけで泣けてきた。

負けたのが悔しいってのもそうだけど。
それ以上に自分が情けなくて。惨めで。



「おいおい、泣くこたァねぇだろ……」

呆れたかのように頭を掻く将さん。



「なぁ、なんでお前そこまでしてあの子………ノエルだっけ？を助けたいんだよ？

会ったばっかりなんだろ？」


ここで輝が質問を投げかけてくる。

今まで考えたことのなかった質問に俺は一瞬戸惑いつつも………


「それは………その………あの子、ずっとひとりぼっちで帰るとこもなくて………

だから俺が守らなきゃって………」


「本当にそれだけか？」


輝の眼差しが俺を貫く。

………そうだ、これは建前だ。


本音はもっとシンプルで口に出すのは気恥ずかしいものだ。