Episode.1 VALZ
────
依頼を受けた俺は、早速来栖さんが指示したポイントへと向かった。
「ここか………」
眼前にそびえ立つのは白い建物。
新薬の研究に使われていた施設だったらしいが、血の生誕祭のゴタゴタのせいで6年前に破棄されたのだという。
今では生き残ったアンゲロスたちが根城にしているらしく、近所の住人たちも寄りつかない。
そんな中に彼女、ノエル・ロックディールが幽閉されている。
「うまく行けばアンゲロスたちを一網打尽にできるかもな………」
いや、一網打尽にしたら生活に困るだろ、と心の中で自分の発言にツッコミを入れつつ重たい扉を押して中に入る。
入った瞬間ツンとしたカビの臭いが鼻腔をくすぐった。
どうやら手入れはされていないらしい。
「………さて、と。カノジョはどこかな」
いつでも変身出来るようにコルプスレイザーを腰に巻き、辺りの探索を始める。
薄暗い廊下を抜け、ボロボロになった階段を登り、また廊下を歩く。
途中には臨床実験室や資料室などがあったが、彼女が幽閉されていると思わしき部屋はどこにもない。
……ていうか人の気配なんて感じない。
「ホントにいんのかなぁ……?」
もしかして怪しいどころか、ただ単にからかわれただけ?
そう思い始めたときスゥ……っと風が吹いた。
「ッ!!」
直後、背後に迫る圧倒的殺気。
俺は地面を蹴り、飛び退いて回避する。
………どうやら当たりらしい。
「シィィィィィィ………」
目の前には人体模型のように体の皮膚が透き通った怪物が2体いた。
依頼を受けた俺は、早速来栖さんが指示したポイントへと向かった。
「ここか………」
眼前にそびえ立つのは白い建物。
新薬の研究に使われていた施設だったらしいが、血の生誕祭のゴタゴタのせいで6年前に破棄されたのだという。
今では生き残ったアンゲロスたちが根城にしているらしく、近所の住人たちも寄りつかない。
そんな中に彼女、ノエル・ロックディールが幽閉されている。
「うまく行けばアンゲロスたちを一網打尽にできるかもな………」
いや、一網打尽にしたら生活に困るだろ、と心の中で自分の発言にツッコミを入れつつ重たい扉を押して中に入る。
入った瞬間ツンとしたカビの臭いが鼻腔をくすぐった。
どうやら手入れはされていないらしい。
「………さて、と。カノジョはどこかな」
いつでも変身出来るようにコルプスレイザーを腰に巻き、辺りの探索を始める。
薄暗い廊下を抜け、ボロボロになった階段を登り、また廊下を歩く。
途中には臨床実験室や資料室などがあったが、彼女が幽閉されていると思わしき部屋はどこにもない。
……ていうか人の気配なんて感じない。
「ホントにいんのかなぁ……?」
もしかして怪しいどころか、ただ単にからかわれただけ?
そう思い始めたときスゥ……っと風が吹いた。
「ッ!!」
直後、背後に迫る圧倒的殺気。
俺は地面を蹴り、飛び退いて回避する。
………どうやら当たりらしい。
「シィィィィィィ………」
目の前には人体模型のように体の皮膚が透き通った怪物が2体いた。