Episode.5 DUAL FUSION

「うおぉぉぉぉ!」


この状況を打破せねばとがむしゃらに拳を振るう。

しかし、クロスはいとも簡単に避けてしまう。




「くそっ!くそぉっ!」


ムキになって何度も拳を振るうが、当たらない。全く当たらない。掠りもしない。

まるで俺の攻撃全てが見切られているかのように。




「なぁにムキになってるんだよ、っと」


一瞬の隙を突かれ、足払いを喰らってしまい体が地面に叩きつけられる。



「くっ………おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


《リヒト!バースト!》


《ヴァルツクロー!》


俺はすぐさま立ち上がるとカプセルを読み込ませ高速移動を発動し、ヴァルツクローによる攻撃を敢行する。



「くっ!」


流石のクロスも高速移動の前では抵抗も出来ず防戦一方となる……筈だった。

でも、それも甘い考えでしかなかったのだ。
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