Episode.5 DUAL FUSION

「「………ッ!」」


ぶつかり合う拳。その余りの威力に互いに仰け反る。



「ぐっ………なんつーパワーだよ」


拳をおさえるクロスに対し、こちらは殆ど痛みを感じない。

どうやらパワーだけならこちらの方が押しているようだ。

もしかしたら単純な力比べに持ち込めたら勝てるかも……。

俺は更なる追撃として肉薄すると更に拳を突き出す。

しかし、その浅はかな考えはすぐに否定される事となる。



「甘ぇよ」


「!?」


拳はいとも簡単にいなされてしまい、体制を崩してしまう。

慌てて体制を立て直そうとするも、クロスの風を纏った連続蹴りを喰らってしまう。




「おいおい、どうした?

最強のライダーの名が泣いてるぜッ……!」


「うっ……うるせぇ!」


防御も回避も出来ず連続蹴りを受け続ける。

一発一発が重く、そしてヴァルツの複眼をもってしても視認出来ないくらい速い。



スペック差が紙切れのように感じられる。



恐らく先に戦った勇騎さんや輝以上に………いや、今まで戦ってきた誰よりもこの男は強い。




俺は理屈ではなく直感でそう感じるのであった。
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