Episode.5 DUAL FUSION
「はぁぁぁぁっ!!」
先手をとったつもりだろう。
奴は地面を抉るほどの力で地面を蹴り、加速。
一気にトップスピードに達するとその炎に包まれた剣を振り下ろす。
──あぁ、遅い。そして無駄だらけだ。
こんなもの、避けるのも容易い。
俺は僅かに上体を反らすことでその斬擊を回避。
振り下ろされた刃を踏みつけるとサタンサーベルの柄頭で奴の頭部を殴る。
このまま奴を蹴り飛ばし奴の武器を奪ってやるのもいいが、それだと意味がない。
俺は敢えて距離をとり、奴の出方を伺う。
「………ッ!!」
格下だと侮っていたライダーのなり損ない……シャドームーンに軽くあしらわれるのに耐えられないのだろうか。
エクシードディスペアーは更に加速すると炎を纏わせたディスペアーサーベルを何度も振るう。
その斬擊は一刀ごとに加速していくが、それでも遅い。
その全てを見切り、体を反らして避け、またはサタンサーベルで受け流し、捌いていく。
これで元の世界では『絶望の担い手』などという2つ名を持っていたのだから本当にお笑いだ。
「……さて、と」
こんな阿呆をボコるのに一頁も必要ないだろう。
奴の振りかざしたディスペアーサーベルの軌道を見極めると、奴の斬擊を受け止め奴の剣を弾くと、サタンサーベルでディスペアーサーベルの刀身を一刀両断。
折れたディスペアーサーベルの刀身が宙を舞った。
「……何っ!?ぐっ……!!」
まさかなまくら刀と馬鹿にした刀に自身の剣が折られるとは思っていなかったようで、奴も少なからず動揺した。
当然そんな隙があれば攻撃を入れたくなるのが人間の性。
俺は動揺した奴をサタンサーベルで切り伏せる。
吹き出した鮮血と共にエクシードディスペアーの体が空を仰ぐように崩れ落ちると奴の変身が解除された。
それと同時に奴のベルトからガイアメモリが外れ、俺の足元に転がってきた。
俺はそれを拾い上げると、ネスの右足の脛にサタンサーベルを突き刺した。
「………あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「いつもは無口なのに流石にこういう時はでけぇ声が出るんだな」
こういう時、映画等でよくある敵役ならば、この刀を更に深く差し込むことで目の前の奴に苦痛を与えるのだろうが、俺にそんな趣味はない。
それにこんな奴の血で、シャドームーンが最後まで愛用したこの刀を汚してしまうのは忍びない。
俺は奴の足からサタンサーベルを引き抜き、その血を左手で拭うと変身を解除。
そして、戦う力すら残っていないネスの胸ぐらを掴み無理やり立たせる。
「………なんで………わ、私のディスペアーサーベルが…………!」
「………てめぇは何か勘違いしてるようだから、この際いいこと教えといてやるよ。
ディスペアーサーベルとかいうてめぇのクソみたいなパチモンと……
五万年の歴史の中で鍛え上げられてきたサタンサーベルとじゃ……
年季も、その歴史の重さも違う……!」
「ッ!!!」
そして最後の仕上げだ。
俺は渾身の力で奴の下顎目掛けて拳を叩きつける。
何かが砕けるような音と共に俺の拳は奴の下顎にめり込み、ネスの意識を刈り取った。
口から溢れ落ちる血と折れた歯。
そして白目を剥き口を力無さげに開けたままネスは気を失った。
「……あー……少しやり過ぎたか……?」
まさかと思い奴の口の中や奴の顎をチェックする。
あぁ……どうやら今の一撃でネスの顎の骨が文字通り割れたようだ。
これじゃコイツもしばらくは使い物にならねぇか………。
まぁ今回の話も今まで実力の差を見せつけてこなかった俺の不徳のいたすところだが、仕方ない。
俺はネスをその辺に寝転がすと、スマホを取り出し、古い友人に連絡をとった。
「……よう、カエル面。
わりぃ、急患だ。頼めるか………?」
こうして俺の仕事が更に増えるのだが、それも仕方ない。
まぁ、これでこの阿呆も分かってくれると助かるんだがな……。
先手をとったつもりだろう。
奴は地面を抉るほどの力で地面を蹴り、加速。
一気にトップスピードに達するとその炎に包まれた剣を振り下ろす。
──あぁ、遅い。そして無駄だらけだ。
こんなもの、避けるのも容易い。
俺は僅かに上体を反らすことでその斬擊を回避。
振り下ろされた刃を踏みつけるとサタンサーベルの柄頭で奴の頭部を殴る。
このまま奴を蹴り飛ばし奴の武器を奪ってやるのもいいが、それだと意味がない。
俺は敢えて距離をとり、奴の出方を伺う。
「………ッ!!」
格下だと侮っていたライダーのなり損ない……シャドームーンに軽くあしらわれるのに耐えられないのだろうか。
エクシードディスペアーは更に加速すると炎を纏わせたディスペアーサーベルを何度も振るう。
その斬擊は一刀ごとに加速していくが、それでも遅い。
その全てを見切り、体を反らして避け、またはサタンサーベルで受け流し、捌いていく。
これで元の世界では『絶望の担い手』などという2つ名を持っていたのだから本当にお笑いだ。
「……さて、と」
こんな阿呆をボコるのに一頁も必要ないだろう。
奴の振りかざしたディスペアーサーベルの軌道を見極めると、奴の斬擊を受け止め奴の剣を弾くと、サタンサーベルでディスペアーサーベルの刀身を一刀両断。
折れたディスペアーサーベルの刀身が宙を舞った。
「……何っ!?ぐっ……!!」
まさかなまくら刀と馬鹿にした刀に自身の剣が折られるとは思っていなかったようで、奴も少なからず動揺した。
当然そんな隙があれば攻撃を入れたくなるのが人間の性。
俺は動揺した奴をサタンサーベルで切り伏せる。
吹き出した鮮血と共にエクシードディスペアーの体が空を仰ぐように崩れ落ちると奴の変身が解除された。
それと同時に奴のベルトからガイアメモリが外れ、俺の足元に転がってきた。
俺はそれを拾い上げると、ネスの右足の脛にサタンサーベルを突き刺した。
「………あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「いつもは無口なのに流石にこういう時はでけぇ声が出るんだな」
こういう時、映画等でよくある敵役ならば、この刀を更に深く差し込むことで目の前の奴に苦痛を与えるのだろうが、俺にそんな趣味はない。
それにこんな奴の血で、シャドームーンが最後まで愛用したこの刀を汚してしまうのは忍びない。
俺は奴の足からサタンサーベルを引き抜き、その血を左手で拭うと変身を解除。
そして、戦う力すら残っていないネスの胸ぐらを掴み無理やり立たせる。
「………なんで………わ、私のディスペアーサーベルが…………!」
「………てめぇは何か勘違いしてるようだから、この際いいこと教えといてやるよ。
ディスペアーサーベルとかいうてめぇのクソみたいなパチモンと……
五万年の歴史の中で鍛え上げられてきたサタンサーベルとじゃ……
年季も、その歴史の重さも違う……!」
「ッ!!!」
そして最後の仕上げだ。
俺は渾身の力で奴の下顎目掛けて拳を叩きつける。
何かが砕けるような音と共に俺の拳は奴の下顎にめり込み、ネスの意識を刈り取った。
口から溢れ落ちる血と折れた歯。
そして白目を剥き口を力無さげに開けたままネスは気を失った。
「……あー……少しやり過ぎたか……?」
まさかと思い奴の口の中や奴の顎をチェックする。
あぁ……どうやら今の一撃でネスの顎の骨が文字通り割れたようだ。
これじゃコイツもしばらくは使い物にならねぇか………。
まぁ今回の話も今まで実力の差を見せつけてこなかった俺の不徳のいたすところだが、仕方ない。
俺はネスをその辺に寝転がすと、スマホを取り出し、古い友人に連絡をとった。
「……よう、カエル面。
わりぃ、急患だ。頼めるか………?」
こうして俺の仕事が更に増えるのだが、それも仕方ない。
まぁ、これでこの阿呆も分かってくれると助かるんだがな……。