Episode.5 DUAL FUSION
──JINIA SIDE──
さて、今回も前回から引き続きこのてぇんさい!物理学者のジニアが語り部をつとめさせて貰う。
……あー、どうもこの『てぇんさい!』ってのは俺のキャラには合わねぇな。
さて、そんなことはどうでもいい。
「ハッ……それがお前のライダーとしての姿か……」
目の前の赤毛の女が変身したのは、黒衣の戦士。
両腕にはそれぞれ色の異なる龍を模した手甲。
王冠の形をしたブレードアンテナ。
紅の複眼。
おそらくガイアメモリで変身したのだから仮面ライダーダブルの系譜を継ぐライダーなのだろうが、俺は興味がないため知らんが、如何せんその……魔法少女というか『勇者』というか……。
なんというかあのシンプルなシルエットのボディの上からなんとも可愛らしいコスチュームを纏ったような姿をしているのだ。
実際はそのようなコスチュームを模した装甲なのだろうが。
このライダーは『エクシードディスペアー』。
ネスの変身するライダーであり、アイツの最強の力なのだそうだ。
変身を遂げたネス……否、エクシードディスペアーは俺に炎を宿した赤い刀身の剣を向ける。
「まずはお前に………」
「……『極限の絶望をくれてやる』、か?」
「!?」
「本当に言うつもりだったのかよ……
そんなクサイ台詞、今時中学生でも言わねぇわ」
《SET UP………!》
奴の構えた剣……ディスペアーサーベルを見て俺は使用する“力”を決めた。
このベルト……ジュエルドライバーはジュエルに封じられたライダーや怪人の力を解放することでそのライダーや怪人そのものに変身することが出来るのだ。
変身するのはもはやアイツしかいない。
「………変身」
《チェンジ………シャドームーン………!》
眩い光と共に俺の体は再構成される。
白銀の装甲。
緑の目。
両足の飛蝗の足を模したアンカー。
エクシードディスペアーとは対照的にかなりメカニカルな姿をした『ライダー』……いや、『ライダー』と呼ぶのは無粋か。
仮面ライダーに近い姿をしていながら、決して仮面ライダーとは名乗らなかった男。
自らの宿命と戦い、己を貫き通した世紀王。
その名を『シャドームーン』と言う。
シャドームーンとなった俺の右手にはエクシードディスペアーの剣と瓜二つの赤い刀身を持つ剣が握られている。
違う所と言えばグリップ底のメモリスロットがない所ぐらいだろうか。
この剣は『サタンサーベル』。
代々世紀王に受け継がれてきた剣だ。
「仮面ライダーのなり損ないに変身するとは私も甘く見られたものだな。
それにサタンサーベル………そんななまくら刀で私を撃つつもりか?」
「………仮面ライダーのなり損ない?なまくら刀……?」
──聞き捨てならないな。
俺たちは確かにコイツらの歴史を勝手に掘り起こしてその歴史を悪用している。
その自覚はあるが、決してその歴史をないがしろにしているつもりはない。
ましてや冒涜などもってのほかだ。
ジュエルに宿ったコイツらは、歴史を紡ぐ上でその瞬間瞬間をコイツらなりに必死に生きてきたのだ。
それこそ、己の命を賭けて。
こんな薄っぺらい奴に笑われる筋合いなどない。
「…………妄言も大概にしとけよ、この愚か者が」
まさかここまで拗らせていたとは。
この中二病女には、少しばかり手酷いお仕置きが必要なようだ。
奴のレベルでは感知できないほどに殺気を抑えつつ、静かにサタンサーベルを構えた。
──そんなにお望みなら、現実を教えてやるよ。
さて、今回も前回から引き続きこのてぇんさい!物理学者のジニアが語り部をつとめさせて貰う。
……あー、どうもこの『てぇんさい!』ってのは俺のキャラには合わねぇな。
さて、そんなことはどうでもいい。
「ハッ……それがお前のライダーとしての姿か……」
目の前の赤毛の女が変身したのは、黒衣の戦士。
両腕にはそれぞれ色の異なる龍を模した手甲。
王冠の形をしたブレードアンテナ。
紅の複眼。
おそらくガイアメモリで変身したのだから仮面ライダーダブルの系譜を継ぐライダーなのだろうが、俺は興味がないため知らんが、如何せんその……魔法少女というか『勇者』というか……。
なんというかあのシンプルなシルエットのボディの上からなんとも可愛らしいコスチュームを纏ったような姿をしているのだ。
実際はそのようなコスチュームを模した装甲なのだろうが。
このライダーは『エクシードディスペアー』。
ネスの変身するライダーであり、アイツの最強の力なのだそうだ。
変身を遂げたネス……否、エクシードディスペアーは俺に炎を宿した赤い刀身の剣を向ける。
「まずはお前に………」
「……『極限の絶望をくれてやる』、か?」
「!?」
「本当に言うつもりだったのかよ……
そんなクサイ台詞、今時中学生でも言わねぇわ」
《SET UP………!》
奴の構えた剣……ディスペアーサーベルを見て俺は使用する“力”を決めた。
このベルト……ジュエルドライバーはジュエルに封じられたライダーや怪人の力を解放することでそのライダーや怪人そのものに変身することが出来るのだ。
変身するのはもはやアイツしかいない。
「………変身」
《チェンジ………シャドームーン………!》
眩い光と共に俺の体は再構成される。
白銀の装甲。
緑の目。
両足の飛蝗の足を模したアンカー。
エクシードディスペアーとは対照的にかなりメカニカルな姿をした『ライダー』……いや、『ライダー』と呼ぶのは無粋か。
仮面ライダーに近い姿をしていながら、決して仮面ライダーとは名乗らなかった男。
自らの宿命と戦い、己を貫き通した世紀王。
その名を『シャドームーン』と言う。
シャドームーンとなった俺の右手にはエクシードディスペアーの剣と瓜二つの赤い刀身を持つ剣が握られている。
違う所と言えばグリップ底のメモリスロットがない所ぐらいだろうか。
この剣は『サタンサーベル』。
代々世紀王に受け継がれてきた剣だ。
「仮面ライダーのなり損ないに変身するとは私も甘く見られたものだな。
それにサタンサーベル………そんななまくら刀で私を撃つつもりか?」
「………仮面ライダーのなり損ない?なまくら刀……?」
──聞き捨てならないな。
俺たちは確かにコイツらの歴史を勝手に掘り起こしてその歴史を悪用している。
その自覚はあるが、決してその歴史をないがしろにしているつもりはない。
ましてや冒涜などもってのほかだ。
ジュエルに宿ったコイツらは、歴史を紡ぐ上でその瞬間瞬間をコイツらなりに必死に生きてきたのだ。
それこそ、己の命を賭けて。
こんな薄っぺらい奴に笑われる筋合いなどない。
「…………妄言も大概にしとけよ、この愚か者が」
まさかここまで拗らせていたとは。
この中二病女には、少しばかり手酷いお仕置きが必要なようだ。
奴のレベルでは感知できないほどに殺気を抑えつつ、静かにサタンサーベルを構えた。
──そんなにお望みなら、現実を教えてやるよ。