Episode.4 CROSS
「───■■■■■!!!」
けたたましい叫び声を上げながら飛びかかるスパイダーアンゲロス。
全く煩いったらありゃしない。
一般人からしたら凄まじいスピードなんだろうが、俺から言わせりゃこんなもの止まっているのと何ら変わりない。
上体を少しだけ反らし、奴らの攻撃をかわしていく。
これだけ遅ければ飛び退くだけ時間の無駄。
要するに当たらなければどうということはないって事だ。
「「「!?!?!?」」」
俺が一歩も動かず避け続けたことに奴らは動揺を隠しきれない様子。
人間の体をベースにしているため仲間と連携を取り、不意打ちを織り混ぜながら攻撃を繰り出すだけの知能はあるようだ。
しかし……コイツらには戦う相手の力量を見定めるまでの経験や勘までは持ち合わせてなかったようだ。
「……さっさと終わらせるか」
《ヴァルツスパロー!!》
バックル右のサイドハンドルを押し込む。
それと同時にガイダンスボイスが再生され、筋繊維のようなインナーを通して右手にエネルギーが流れる。
掌を突きだすと二本のレーザーの光が放たれ、まるで何もない空間に“印刷”されるかのように弓型の武装が生成される。
これは『ヴァルツスパロー』。
あの阿呆のヴァルツにはない、プロトタイプのヴァルツのみが持つ専用武器だ。
「────■■■■■!!!」
「邪魔だ」
未だに俺を喰らうことを諦めていないスパイダーアンゲロスたちは俺に飛びかかる。
奴らの攻撃をいなし、弓の胴で防ぎ、受け流す。
そして、僅かな隙を突き奴らを切り伏せ、殴り飛ばし、投げ飛ばす。
「……これでTHE ENDだ」
ある程度奴らを1ヶ所に集めるとヴァルツスパローの弦を引き、エネルギーを集束させる。
弓型武器の弱点はそのエネルギーのチャージの時間だ。
仮面ライダーが使う弓型武器の殆どは弓の胴にあたる部分が刃になっており、矢による射撃だけでなく接近戦もこなせる武器だ。
しかし、斬擊と射撃をシームレスに行える代償として剣としてはリーチが短く、射撃武器としては連射性に欠ける。
しかもフルパワーで撃つとなると弦を引きエネルギーをチャージする仕様上、チャージの完了に時間がかかり、また両手も塞がってしまうので無防備になってしまう。
故に仮面ライダーの弓型武器は熟練向けの武装であり、弦を引きエネルギーをチャージする際には安全な位置からの狙撃、または仲間に守ってもらいながらのチャージ、そして確実に相手を葬ることができるまでに相手を弱らせた後にチャージ……といった具合にシチュエーションも絞られてくる。
悪く言ってしまえばどっちつかずの武器であり、使い手が未熟なら真価を発揮できない武器だが、俺は弓型武器を極め自身のヴァルツの専用武器にも弓を選んでいる。
その理由はただひとつ。
俺自身ごちゃごちゃした可変武器や武器を複数所有するのが大嫌いなのだ。
やはり万物の真理は『シンプル・イズ・ベスト』。
徹底的に無駄を省き、徹底的に必要なものだけを突き詰めたものこそが至高の領域に辿り着けるのである。
──それに、最後に頼れるのは己のみ。
結局のところ俺一人で全てを“完結”しなければならないからな。
「………Ciao」
「──■■■■■■ーーーー!!!」
臨界点を突破し放たれた光の矢は、周囲の空間を歪ませながら目の前の物の怪たちを飲み込む。
眩い光と共に奴らの体を融解させ、焼き尽くすと、大気すら焦がすような熱と爆風が駆け巡り、地面を揺らすほどの轟音が響いた。
「ま、これじゃ実験にもなりゃしねぇがな」
弓を下ろして視線を向けた先にあったものは、悪臭を放ちながら地面にぶちまけられへばりつく焼け焦げた肉片だけであった。
けたたましい叫び声を上げながら飛びかかるスパイダーアンゲロス。
全く煩いったらありゃしない。
一般人からしたら凄まじいスピードなんだろうが、俺から言わせりゃこんなもの止まっているのと何ら変わりない。
上体を少しだけ反らし、奴らの攻撃をかわしていく。
これだけ遅ければ飛び退くだけ時間の無駄。
要するに当たらなければどうということはないって事だ。
「「「!?!?!?」」」
俺が一歩も動かず避け続けたことに奴らは動揺を隠しきれない様子。
人間の体をベースにしているため仲間と連携を取り、不意打ちを織り混ぜながら攻撃を繰り出すだけの知能はあるようだ。
しかし……コイツらには戦う相手の力量を見定めるまでの経験や勘までは持ち合わせてなかったようだ。
「……さっさと終わらせるか」
《ヴァルツスパロー!!》
バックル右のサイドハンドルを押し込む。
それと同時にガイダンスボイスが再生され、筋繊維のようなインナーを通して右手にエネルギーが流れる。
掌を突きだすと二本のレーザーの光が放たれ、まるで何もない空間に“印刷”されるかのように弓型の武装が生成される。
これは『ヴァルツスパロー』。
あの阿呆のヴァルツにはない、プロトタイプのヴァルツのみが持つ専用武器だ。
「────■■■■■!!!」
「邪魔だ」
未だに俺を喰らうことを諦めていないスパイダーアンゲロスたちは俺に飛びかかる。
奴らの攻撃をいなし、弓の胴で防ぎ、受け流す。
そして、僅かな隙を突き奴らを切り伏せ、殴り飛ばし、投げ飛ばす。
「……これでTHE ENDだ」
ある程度奴らを1ヶ所に集めるとヴァルツスパローの弦を引き、エネルギーを集束させる。
弓型武器の弱点はそのエネルギーのチャージの時間だ。
仮面ライダーが使う弓型武器の殆どは弓の胴にあたる部分が刃になっており、矢による射撃だけでなく接近戦もこなせる武器だ。
しかし、斬擊と射撃をシームレスに行える代償として剣としてはリーチが短く、射撃武器としては連射性に欠ける。
しかもフルパワーで撃つとなると弦を引きエネルギーをチャージする仕様上、チャージの完了に時間がかかり、また両手も塞がってしまうので無防備になってしまう。
故に仮面ライダーの弓型武器は熟練向けの武装であり、弦を引きエネルギーをチャージする際には安全な位置からの狙撃、または仲間に守ってもらいながらのチャージ、そして確実に相手を葬ることができるまでに相手を弱らせた後にチャージ……といった具合にシチュエーションも絞られてくる。
悪く言ってしまえばどっちつかずの武器であり、使い手が未熟なら真価を発揮できない武器だが、俺は弓型武器を極め自身のヴァルツの専用武器にも弓を選んでいる。
その理由はただひとつ。
俺自身ごちゃごちゃした可変武器や武器を複数所有するのが大嫌いなのだ。
やはり万物の真理は『シンプル・イズ・ベスト』。
徹底的に無駄を省き、徹底的に必要なものだけを突き詰めたものこそが至高の領域に辿り着けるのである。
──それに、最後に頼れるのは己のみ。
結局のところ俺一人で全てを“完結”しなければならないからな。
「………Ciao」
「──■■■■■■ーーーー!!!」
臨界点を突破し放たれた光の矢は、周囲の空間を歪ませながら目の前の物の怪たちを飲み込む。
眩い光と共に奴らの体を融解させ、焼き尽くすと、大気すら焦がすような熱と爆風が駆け巡り、地面を揺らすほどの轟音が響いた。
「ま、これじゃ実験にもなりゃしねぇがな」
弓を下ろして視線を向けた先にあったものは、悪臭を放ちながら地面にぶちまけられへばりつく焼け焦げた肉片だけであった。