Episode.4 CROSS
「───ッッ!!」
変身させまいと俺目掛けて飛びかかるアンゲロス共。
当然、俺が変身を終えるまで待ってくれるほど相手も優しくはない。
コイツら……スパイダーアンゲロスは集団で行動し、獲物を追い詰める習性を持っている。
我々のよく知る蜘蛛そのもののように糸を蜘蛛の巣のように張り巡らせ、巣にかかった獲物を捕えるということもするのだが、大半のスパイダーアンゲロスはこのように手当たり次第に襲い掛かることしかしない。
おそらく最も似通った種族である蜘蛛ではなく、人間を宿主としその体を乗っ取って体を作っているので厳密に言えば蜘蛛“そのものではなく”あくまでも蜘蛛に姿形が似通っているだけだからだろう。
ただ集団で行動するからこそ、その一糸乱れぬ動きで獲物を追い詰めることもできる。
だが……俺は奴らの攻撃の全てをいなしていく。
コイツら程度の動きなら変身せずとも見切ることは造作もない。
《リヒト!》
「おいおい……」
《ドゥンケル!》
奴らの攻撃を捌きつつ、起動する二本の透明なカプセル。
俺たちはこのアイテムを『オブラート』と呼んでいる。
ライダーカプセルの技術検証に用いたものであり、基盤が丸々見える透明なボディでなおかつカプセルよりも原始的なものだから『オブラート』。
ライダーカプセルとエクスライザーが量産された今、もはや必要ですらなくなったものだが、こればかりは俺の大切なものだ。
どれだけ新しいライダーカプセルが作られようとこれからも使い続けるつもりだ。
「さぁ………解剖を始めようか」
二本の起動したオブラートを装填する。
オブラートが装填されることで、バックル中央のリアクターが稼働し、眩い光を放つ。
プロトタイプ故に装置は後のエクスライザーやクロスドライバーより大型化しているが機能は全く同じ。
装填されたアイテムに内包されたデータをドライバー内で掛け合わせてそれをスーツとして実体化させる。
そして、俺が用いたリヒトオブラートとドゥンケルオブラートはあの阿呆が使うカプセルと中身は全く同じだ。
そう、なにひとつとして大差はない。
《デュアルフュージョン!》
「変身」
エネルギーが最高潮に達したのを感じるとバックル両側のサイドハンドルを押し込む。
するとバックル中央のリアクターが高速回転し、閃光が迸った。
《ヴァルツ!ベーシック!》
《光と闇のマリアージュ!
今こそ立ち上がれ最強のライダー!
ぷくく………》
おちゃらけた女のガイダンスボイスが響き渡る。
それと共に俺の体がバッタを思わせる姿に作り替えられ、すぐさま黒い装甲が生成されバッタ男となった俺の体を覆い尽くす。
やがて黒い装甲が完全に定着し、頭部バイザーのダクトから強制冷却用の蒸気が噴出されると変身が完了する。
漆黒の装甲。
赤い複眼。
手首や足首には赤と黄色のラインが走っている。
……そう。その姿はバックルと左手を除き椿勝利の変身した“それ”と同じ姿をしている。
『ヴァルツ・ベーシックフェイズ』。
この世界で初めて生まれた仮面ライダー……すなわち『0号ライダー』とも言うべきライダーであり、全てのライダーのベースとなったライダー。
そして、椿勝利の変身するヴァルツのプロトタイプだ。
変身させまいと俺目掛けて飛びかかるアンゲロス共。
当然、俺が変身を終えるまで待ってくれるほど相手も優しくはない。
コイツら……スパイダーアンゲロスは集団で行動し、獲物を追い詰める習性を持っている。
我々のよく知る蜘蛛そのもののように糸を蜘蛛の巣のように張り巡らせ、巣にかかった獲物を捕えるということもするのだが、大半のスパイダーアンゲロスはこのように手当たり次第に襲い掛かることしかしない。
おそらく最も似通った種族である蜘蛛ではなく、人間を宿主としその体を乗っ取って体を作っているので厳密に言えば蜘蛛“そのものではなく”あくまでも蜘蛛に姿形が似通っているだけだからだろう。
ただ集団で行動するからこそ、その一糸乱れぬ動きで獲物を追い詰めることもできる。
だが……俺は奴らの攻撃の全てをいなしていく。
コイツら程度の動きなら変身せずとも見切ることは造作もない。
《リヒト!》
「おいおい……」
《ドゥンケル!》
奴らの攻撃を捌きつつ、起動する二本の透明なカプセル。
俺たちはこのアイテムを『オブラート』と呼んでいる。
ライダーカプセルの技術検証に用いたものであり、基盤が丸々見える透明なボディでなおかつカプセルよりも原始的なものだから『オブラート』。
ライダーカプセルとエクスライザーが量産された今、もはや必要ですらなくなったものだが、こればかりは俺の大切なものだ。
どれだけ新しいライダーカプセルが作られようとこれからも使い続けるつもりだ。
「さぁ………解剖を始めようか」
二本の起動したオブラートを装填する。
オブラートが装填されることで、バックル中央のリアクターが稼働し、眩い光を放つ。
プロトタイプ故に装置は後のエクスライザーやクロスドライバーより大型化しているが機能は全く同じ。
装填されたアイテムに内包されたデータをドライバー内で掛け合わせてそれをスーツとして実体化させる。
そして、俺が用いたリヒトオブラートとドゥンケルオブラートはあの阿呆が使うカプセルと中身は全く同じだ。
そう、なにひとつとして大差はない。
《デュアルフュージョン!》
「変身」
エネルギーが最高潮に達したのを感じるとバックル両側のサイドハンドルを押し込む。
するとバックル中央のリアクターが高速回転し、閃光が迸った。
《ヴァルツ!ベーシック!》
《光と闇のマリアージュ!
今こそ立ち上がれ最強のライダー!
ぷくく………》
おちゃらけた女のガイダンスボイスが響き渡る。
それと共に俺の体がバッタを思わせる姿に作り替えられ、すぐさま黒い装甲が生成されバッタ男となった俺の体を覆い尽くす。
やがて黒い装甲が完全に定着し、頭部バイザーのダクトから強制冷却用の蒸気が噴出されると変身が完了する。
漆黒の装甲。
赤い複眼。
手首や足首には赤と黄色のラインが走っている。
……そう。その姿はバックルと左手を除き椿勝利の変身した“それ”と同じ姿をしている。
『ヴァルツ・ベーシックフェイズ』。
この世界で初めて生まれた仮面ライダー……すなわち『0号ライダー』とも言うべきライダーであり、全てのライダーのベースとなったライダー。
そして、椿勝利の変身するヴァルツのプロトタイプだ。