Episode.4 CROSS

4人同時に着地すれば、俺たちは変身を解く。


「ノエル………!」


変身を解いて早々、クイーンワスプアンゲロスが飛び去った方向へと走り出そうとする。

しかし、あの男………たしか赤津 将って言ったっけ………に止められる。



「どこ行くつもりだ?」


「離せよ………」


「断る」


「離せって言ってんだ!」


将さんに腕を掴まれ振りほどこうとするが将さんの力は強くまったくと言っていいほど振りほどけない。



「今のお前があいつらに挑んでも死ぬだけだ。大人しくしてろ」


「ノエルが攫われたんだ!大人しくなんて出来るか!」


「でもそいつの言う通りだ勝利………。
今のお前じゃあのアンゲロスたちには勝てない」


将さんの言葉に勇騎さんも同調する。

確かにヴァルツの性能でも、バットアンゲロスにもクイーンワスプアンゲロスにも勝てなかった。


正直、将さんたちがいなければ手も足も出なかった。



「そ、それでも!それでも俺は…………」

何故自分がここまでノエルに拘っているのか自分でもわからない。
でも、俺が助けなきゃ………あの子を助けなきゃいけないってのは直感で分かる。


それでも今は、返す言葉すらなく、黙りこんでしまう。



しかし、この後輝によって紡がれた言葉が転機をもたらすのだった。



「じゃあ、鍛えればいいんじゃね?」


「でも誰が………?」


「そりゃあ………将しかいないだろ!」


「俺かよ!………俺も後輩を鍛えてやれる程『ライダーの道』とやらを理解してる訳じゃないが…………」


「頼むって!ここは可愛い後輩の為だと思って!」


「…………仕方ねぇな………」


俺を無視して繰り広げられる展開に将さんは呆れたようにため息こそついたが、どうやら俺と違って将さんはトレーニングを了承したようだ。



───こうして俺は将さんのトレーニングを受けることになったのであった。
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