「クソッ！邪魔すんな！」


《ガンモード！》


ヴァルツクローをガンモードに変形させ、エネルギー弾を数発放つ。

しかしバットアンゲロスは更に上空へと飛翔する事で回避する。




「クソッ！当たれ！当たれって！」


何度も何度もエネルギー弾を発射する。
しかし、当たらない。全然当たらない。

ことごとく回避されているのだ。まるでその全てが見切られているかのように。



………いや、違う。
ノエルが攫われて焦っているんだ俺は。

だから攻撃の弾道もめちゃくちゃになってしまう。



「ふはははははは！どうした！貴様の動揺が伝わってくるぞ！」


焦る俺をあざ笑うかのようにバットアンゲロスは上空から急降下し体当たりをかます。




「ぐっ！！」


体当たりを喰らい吹っ飛ばされ、背後にあった壁に叩きつけられる。

壁はその衝撃に耐えられず崩れ落ちてしまった。

瓦礫が俺の体を飲み込む。



「クッソ………！こんな奴と戦ってる暇なんてないのに………！」


スーツの損傷は軽微。まだまだ戦える。

だが早くノエルを攫ったアンゲロスを追わないと。

瓦礫を振り払いなんとか立ち上がるも、焦りは俺の頭を支配し、俺から平常心を奪っていく。



焦ってもどうにもならないことは頭では分かっている。



だが、この時の俺は焦らずにはいられなかったんだ。