Episode.4 CROSS

──YURIKA SIDE──

「おやすみ………」


───消灯。

真っ暗な部屋は虫の鳴く声だけが聞こえている。

今はこの寝室で彼女と2人っきり。


───『仲間』は逝ったが、ここまでは計画通り。

無事に潜入できたというわけだ。




「どうしたの………?」


“彼女”が私の顔を覗き込んでくる。

月の光に照らされる彼女はなんとも美しく、思わず見惚れてしまう。

特にその月の光を宿したかのような金色の瞳は……何者よりも美しく、目の前の彼女の美しさをより一層引き立てている。


……なんか嫉妬しちゃうかも。



「ううん、なんでもないの」


私は首を横に振り、布団に潜り込んだ。

至近距離で彼女と視線が重なる。


それにしても、こんなに可愛い娘がこの世にいるなんて………。

なんだか照れくさくなって思わず少しの間目を逸らしてしまう。



でも………



「私たちもう、友達よね………?」

その顔の火照りも気にしてられない。
すぐに視線を彼女の方に戻し、たずねる。

すると彼女は寝そべったまま笑みを浮かべ静かに頷いた。


………我ながらなんとも嫌な質問だ。

まるで友情を利用し彼女に言うことを聞かせるようで。

でも………今はそんな事言ってられない。

この為に仲間が散っているのだから。


だから私………沖田 優里香はこう続けるのだ。



「なら………私と一緒に来て。ノエル・ロックディール」
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